『エリザベート』稽古場より マテ・カマラスと加藤清史郎 『エリザベート』稽古場より マテ・カマラスと加藤清史郎

ウィーン・ミュージカルの最高峰であり、日本でも根強い人気を誇るミュージカル『エリザベート』。春野寿美礼、マテ・カマラス、岡田浩暉らニュー・キャストを迎えて贈る2012年版は5月9日(水)に東京・帝国劇場にて開幕。開幕まで2週間となった4月24日、都内にて稽古場見学会が行われた。

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この日は事前応募の中から選ばれた一般客も見つめる中、劇中の代表的ナンバー5曲を披露。アンサンブルとともに『ミルク』を大迫力で歌ったルキーニ役の高嶋政宏は「本番よりはちょっとお客さんを意識してやっちゃったかな。本番ではもうちょっと厳しい表情でやるんですけど(笑)」と観客の近さに苦笑気味。初演からひとりでこの役を演じ続けていることに言及されると「(1000回近く演じても)『エリザベート』は“慣れ”が通じない作品」と、今回も気を引き締めて稽古に向かっている様子を伺わせた。

また、エリザベートの息子ルドルフの少年時代を演じる加藤清史郎は、ウィーンでもトート役を演じ、今回、日本版初参加となるマテ・カマラスと『ママ、何処なの?』を披露。ルドルフ皇太子の孤独な少年期を表現するナンバーを、澄んだ高音で聴かせた。その加藤は「今は83点くらい。まだ目標を達成できていないところもたくさんあるので」と大人びたコメントの一方、「ルドルフはひ弱、僕はすっごく元気で悪ガキみたいなのでまったく違います。でもちょっと泣き虫っぽいところは似ているかも」と役との接点について照れ笑いで話していた。

そしてヒロイン・エリザベートをWキャストで演じる春野寿美礼と瀬奈じゅんはそれぞれ、瀬奈が岡田浩暉とともに『夜のボート』を、春野が石丸幹二とともに『私が踊る時』を聴かせた。前回公演も出演した瀬奈は「前回は初めてのことばかりで悔しい思いもしたので、それを克服したい。またエリザベートの孤高さやストイックさを強く出していきたい」、初出演する春野は「エリザベートとして今、一生懸命一歩ずつ前に進もうと歩いている最中です。あと2週間お稽古の期間があるので、さらに稽古を重ねてより愛される『エリザベート』をお見せできるように頑張りたい」と意気込みを話した。この日はほかに、マテ・カマラスとルドルフ役の平方元基が作品屈指の人気ナンバー『闇が広がる』を熱演。いずれもハイレベルのパフォーマンスで、稽古の順調ぶりを大いにアピールしていた。

公演は5月9日(水)から6月27日(水)まで帝国劇場にて。チケットは発売中。その後福岡、愛知、大阪でも上演される。