ライフスタイルが激変

住んで4ヶ月弱経過し、最も大きく変わったのはライフスタイルだ。世田谷区にいた頃、活動の中心は三軒茶屋や渋谷・神泉あたりで、主な交通手段は電車だった。中央区に住んでからは、活動の中心は銀座や有楽町、京橋、日本橋、人形町あたり、主な交通手段は徒歩、ごく稀にタクシーへと変わった。

ここに挙げたエリアはすべて、自宅から徒歩15〜20分ほどの立地にあり、ちょうどいい運動になる。東側、とくに中央区に住まなければ「休日に徒歩でふらっと銀座に出る」「銀座で食事後、夜風に当たりながら歩いて帰宅する」という生活は想像できなかったと思う。

ちなみに、オフィス街だと環境的にどうなのかと聞かれることが多い。しばらくは、自宅周辺を静かだと感じていたけれど、新築マンションの建設ラッシュで、朝から工事の音が響き渡っている。空き地も多い。周辺は2020年の東京五輪に向けて、発展を遂げるのだろう。

夕方になると周りは静けさが増す。夜や土日は人通りがぐっと少なくなり、すこし寂しい雰囲気へと姿を変える。一方、日中はスーツを着たビジネスマンであふれ、弁当屋や定食を提供するお店が目立つ。明るい時間はほどよく活気があって、夜や土日は静かに過ごせる、暮らしやすい街である。

正直なところ、西側から東側への転居は、大袈裟にも「移住」という言葉を連想してしまうほど、自分にとって大きな決断だった。それでも、一歩踏み出して暮らし始めてみると、人は置かれた環境に順応するらしい。西から東への移動は新発見ばかりで、生活を変えるには申し分のない選択だった。きっと逆もそうなのだろう。

東京23区は楽しい。西と東を行き来しながら生きていくのも悪くはないと感じている。

フリー編集者・ライター。岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。