アクアが掲げる家電のイノベーション、高齢化&単身世帯を意識

2016.3.25 17:15配信
2016年度の製品ラインアップ説明会を開催

アクア(旧ハイアールアジア)は、3月24日、「既存製品のイノベーション」をテーマに、2016年度の製品ラインアップ説明会を開催した。

「家電づくりの常識を疑うことから始める――」

アクア日本代表の山口仁史 執行役員は、冒頭でアクアブランドの根底にある哲学について言及した。「“常識を疑う”というのは即ち“変化する”ということ。10年前、20年前とは世の中も大きく変容してきた。時世に合わせた変化なくして、生き残ることはできない」(同氏)。

“変化”の具体例は、日本社会の高齢化や単身世帯の増加だ。2020年には65歳以上が全人口の30%。単身世帯は33%に達する。山口代表は「社会が変化するなかで、洗濯機は本当に多機能モデルが求められているのか? 最新の洗濯機には、多数のボタンが備わっているが、すべての機能を使いこなしている人がいれば教えてほしい」と会場の記者に訴え、ユーザーニーズから乖離のある家電開発の方向性に疑問を呈した。

アクアがコア事業に掲げるのは「冷蔵庫」と「洗濯機」だ。副代表の森田昌治 執行役員は製品の購入基準について「世帯人数が決め手となる時代ではない。ライフステージやスタイルに合致するかこそ重要」と語る。

15年に発売したハンディ洗濯機「コトン」が好例だ。大容量化・多機能化という一般的な進化のベクトルから離れ、「スピーディかつピンポイントに衣類をキレイにしたい」というユーザーのニーズを真摯に受け止めた結果、これまでにない形状のプロダクトが誕生した。

主力の一翼を担う冷蔵庫は中型・小型モデルのラインアップを拡充している。アクアの冷蔵庫は「中型モデルでは4台に1台」という高いシェアを誇る。その理由を森田副代表は「特定の機種が大きく売れているわけではない。豊富なラインアップが揃っているからこそ、ユーザーがそれぞれに最適なモデルを選択できている」と説明する。16年に発売、もしくは発売予定のモデルも、機能や容量に捉われることなく“ユーザーの真のニーズ”ありきで開発されたモデルが揃う。

3月に発売した「AQR-271E」は、珍しい3段タイプの小型冷蔵庫。小型ながら野菜室を設け、少人数家庭のユーザーの“ちょうどいい”を実現する。約142cmのロータイプで、背の低い女性でも上部まで手が届く。車いすの人も使いやすいユニバーサルデザインだ。通常の小型モデルよりやや幅を広くすることで、大き目のオーブンレンジでも冷蔵庫の上に設置できるようにするなど、利便性を追求している。

「三洋時代から培ってきた“冷やす”“洗う”のチカラと、ユーザー目線のギモン。このかけ合わせが、新しい視点のアクア製品を生み出す」(山口代表)。定番ジャンルに一石投じるアクアの挑戦が、家電の新たな方向性を確立できるか、今後の取り組みに注目したい。(BCN・大蔵 大輔)

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