日々の生活や風景こそが何よりも感動的で、音楽に力を与えるテーマになるという視点がどこまでも貫かれた『シフクノオト』や『HOME』。
シリアスな筆致で〝愛の実像〟を捉えようとする『I♥U』。
大衆音楽の本質と可能性をカラフルなサウンドスケープで描いた『SUPERMARKET FANTASY』。
豊潤な奥行きを擁する作品のコンセプトやメッセージの解釈をリスナー個々人に委ねた『SENSE』。

リスナーはMr.Childrenの音楽を色褪せない文学作品のように何度も読み解こうとする。桜井和寿の卓抜したソングライティング能力と、強固なバンドの結束力から生まれるMr.Childrenという圧倒的な求心力。そこにはいつの時代も本質だけを照らす研ぎ澄まされた〝市井感〟と〝ポップネス〟が流れている。現に'01年から'10年に生まれた楽曲群が、'12年の現在もフレッシュな生気を放っている。