<ママ編1>
職場でいきなり全力モードにしないほうがいい

職場復帰して「また仕事をがんばろう!」と気合いが入っている、まじめな女性ほど要注意なのですが、復職すぐに仕事にフル回転することはとても難しいことです。

仕事感や最新知識は欠けてしまっていますし、そもそもフルタイムでいきなり働くことはできません。0歳児クラスは遅くまで預けられない園が多いため、時短勤務になるのがほとんどです。残業はほぼ不可能になります。

朝保育園に送ったあと出社し、夕方発熱でお迎えになったら、仕事にいる時間は4時間ちょっと、ということもあります。これでは全力モードで仕事になりません。

こどもが保育園に慣れて体力もつくまでは、朝が元気であってもお昼に「いきなりのお迎えコール」がやってくることがしばしばです。どんな仕事中でもどちらかがお迎えにいかなければなりません。

復職して最初の一年間くらいは、仕事のペースを取り戻す期間と考えた方がいいでしょう。自分自身の体調もあります。無理をしないでください。

<ママ編2>
大胆に家事を手抜きする方法を考え、家事作業の省力化をはかろう

育休中は家にずっといることが多く、まじめでがんばり屋のママさんほど、家事をなんでもこなしてしまいます。結果として育児疲れになっている人もいるようです。

仕事に戻ったら、ぜひ家事は「手抜き」してみてください。毎日の掃除を週末のみにするとかお掃除ロボに床掃除は代わってもらうというように、健康と生活に支障がない範囲でどんどん家事を省略してください。

育休中は毎日ご飯を作っていたけれど、復職後は1日おきにお弁当やお総菜などの中食も組み入れる、といった方法もいいと思います。カット済み野菜セットの配送サービスなどを使えば時短調理でメニューを増やすこともできます。

こどもの服やタオルの洗濯のように手抜きできないところは残して、自分たちの生活はどんどんシンプルにしていきましょう。それは、自分が過労で倒れないためにも必要なことだと思います。

<ママ編3>
今以上にパパには家事育児してもらおう

パパ編の3つめでも指摘していますが、パパにには今以上に家事や育児をシェアしてもらいましょう。

今まで家事と育児だけだったものが、そこに仕事も加わるわけです。パパが何も変わらずだと、確実にママは負担が増えて、このままでは体がもちません。

これから何年も、「家事・育児・仕事」の3本立てでがんばるのはママだけではありません。パパにもきちんと加わってもらいましょう。

特に「保育園送り迎え」「発熱時などのお迎えと通院」「皿洗いや洗濯などの家事」でシェアできる部分を増やしていきましょう。このとき、ママの求めるクオリティよりちょっと落ちてもパパを許してあげてください。そうしないと家事や育児がシェアできないからです。

週末にこどもと遊んでお風呂に入れてくれれば「イクメン」ではありません。むしろ平日に何をしてくれるかと、「家事」をどれくらいしてくれるかのほうでイクメンパパを評価してあげてください。

<番外編>
ママは自分の時間を取ろう/パパはママの自分の時間をもっとあげよう

最後にもうひとつアドバイスです。

育休中のママはほとんど全ての時間をこどものために捧げてきました。本屋にもブティックにもおいしいランチにもほとんど出かけず昼も夜中もこどものために緊張した時間を過ごしてきました。このまま家事も育児も仕事も100%こなしていくのは絶対に無理です。

ママが職場復帰をしたら、週に一度遅く帰ってきてもいいよ(友達とお茶やご飯をしてくるとか)とか、週末のどちらかはひとりで羽を伸ばしてきてもいいよ、というようにパパはママに自分の時間を取らせてあげましょう。

ママは遠慮せずに自分の時間をリクエストしてください。こどものことが心配かもしれませんが、パパも下手なりに何度かやっているうちに風呂入れやトイレ対応も上手になってくるはずです。それもいい経験です。

少し下手でもパパに任せてやらせないと、いつまでたってもママは自分の時間が取れなくなります。ぜひ自分の時間を確保してみてください。

育児と仕事の両立、がんばって

ここまでいくつかのキーワードで職場復帰後の育児・家事についてパパママそれぞれの両立方法を考えてみました。

仕事と育児の両立はとても大変なことです。しかし、長い目でみてこの数年を乗り越えることが経済的な余裕を作る基礎となります。中学や高校、大学に入る頃にお金の問題で悩むことのないよう、しっかり働いていくことが必要です。

仕事も育児も無理をしすぎることなく、がんばってみてください。

やまさき・しゅんすけ 「人生の幸せの問題は、たいていはお金の問題である」という考えのもと、お金と幸せについて考えるファイナンシャル・プランナー(FP)。公的年金制度・退職金制度、投資教育が専門。Twitterでは毎日一言「お金の知恵」をツイートしてます。副業はオタクで、まちあるき、アニメとコミック、ゲーム好き。所属学会は東京スリバチ学会と日本年金学会