『孤島の王』(C) les films du losange

ノルウェーに実在した監獄のような矯正施設から“脱獄”しようとする少年たちの姿を描いたサスペンス映画『孤島の王』。その公開に先駆けて、映画ファン歴 30年以上を自負する50代以上の観客限定試写会が行われ、本作と併せて観たい脱獄映画の名作についてアンケートを実施したところ、『大脱走』が第1位に輝いた。

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『大脱走』は、ジョン・スタージェス監督による1963年の作品で、極上のスリルとユーモア、多彩なキャラクター描写に『大脱走マーチ』の軽快なメロディなど、まさに約3時間の全編が丸ごと見どころといえる名作。とりわけドイツの捕虜収容所から集団脱獄するシーンの圧倒的な緊迫感や、スティーヴ・マックィーンが見せるバイク・アクションの豪快さは特筆ものだ。

第2位はスティーヴ・マックィーンとダスティン・ホフマンが共演した『パピヨン』(1974年:フランクリン・J・シャフナー監督)。冒険活劇的な魅力に満ちた『大脱走』とは異なり、こちらのマックィーン主演作は徹底的にシリアス調。南米の劣悪な刑務所の独房に監禁され、ゴキブリを食ってでも生き抜こうとする主人公パピヨンの凄まじい執念や、“自由”というテーマが胸に迫るラスト・シーンの解放感も、映画ファンの人気を集めた理由だろう。

第3位は“泣ける映画”ランキングの常連でもある異色の監獄映画『ショーシャンクの空に』。第4位は脱獄のプロセス&トリックを入念に描いた『アルカトラズからの脱出』がランクイン。第5位には、巨匠マーティン・スコセッシによる、物理的かつ精神的な“監獄”を映像化した一級のサイコ・ミステリー『シャッター アイランド』が入った。

“映画ファンが選ぶ名作脱獄シネマBest5”

『孤島の王』は、ノルウェーの首都オスロ南方のバストイ島にある少年向けの矯正施設を舞台に、孤立し劣悪な環境に身を置く少年たちが1915年に実際に起こしたとされる反乱事件を描いた作品。

『孤島の王』
4月28日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開