2018年公演「Glory ROLLY Groovy」より 撮影:加藤孝

ミュージシャンROLLYによるコンサート『Global ROLLY Groovy 2019~ローリーの音楽交差点~』が9月21日(土)から23日(月・祝)まで、神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホールにて開催される。どんな公演になるのか、ROLLYに話を聞いた。

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ROLLYが「へんてこりんなコンサートなんですよ」と言う本作は、2005年から2013年まで東京・青山円形劇場で『ROLLY Glory Rolly』『Classical ROLLY』『Best of ROLLY』『ROLLY 生誕50周年 -前夜祭-』と上演してきたコンサートシリーズだが、昨年から横浜赤レンガ倉庫に会場を移し今年で2回目となる。このシリーズはROLLYとバイオリニスト・中西俊博の出会いから生まれたもので、今回も中西は音楽監督、そしてバイオリンで出演。さらに林正樹(ピアノ)、楠均(パーカッション)、鹿島達彦(ベース)、アルフォンヌこと羽田謙治(パフォーマンス)、吉澤耕一(演出)という布陣で上演される。

そこで演奏されるのは「クラシックやジャズやシャンソン…音楽のすべてを超えたナンセンスな世界」とROLLY。今回のセットリストに並ぶのも、ROLLYの曲(すかんちの楽曲も!)だけでなく、クラシックや童謡、歌謡曲など、少し不思議なラインナップだ。当然、そのままやるわけではない。「日本のコンサートで最もイカれたことを、最もハイセンスにバカバカしく、けれど真剣にやっています。超一流のミュージシャンが、真心を込めてアホなことをやり続ける世界です」。中でもクラシック音楽にオリジナルの歌詞をつけ歌うアレンジは秀逸で、「歌うために作られていない音楽に全く関係ない歌詞を乗せる、フルオーケストラで演奏する音楽をたった5人で演奏する…これ大変なんですよ」と笑うが、だからこそROLLYにしか作れない世界となる。今回はムソルグスキーの『バーバ・ヤーガの小屋』(組曲『展覧会の絵』より)を使った新曲をやるそうなので、事前に正統派の演奏を聴いておいてもより楽しめそうだ。

ROLLYが「このコンサートはあまりにも難しすぎてね、毎回自分で墓穴を掘ってます(笑)」と語るように、演奏以外も凝りに凝っている。会場となる赤レンガ倉庫の特色を生かした演出は、「『赤い靴』という童謡は多くの方がご存知だと思うのですが、あの曲で“異人さんに連れられて行っちゃった”女の子は、実は外国行きの船に乗らなかったという話があって。船に乗る前に結核になり、そのまま亡くなったというんです。今回はその子をテーマに、“実は横浜の地下にもカタコンベ(地下墓地)があった”という架空の設定でやろうと思っています」(昨年はフランスがテーマでパリの地下墓地が舞台)と、期待せずにはいられないもの。赤い靴はいていた女の子がどうなったのか……めくるめくROLLYの世界をぜひ堪能して!

公演は、9月21日(土)から23日(月・祝)まで、神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホールにて。チケット発売中。

取材・文:中川實穗