プレイヤーはゲームセンター文化ではなく、オンライン対戦で育ってきた世代に

――おふたりは多くの大会に出場しておりますが、大会に出場するときはどういうお気持ちで臨んでいるのでしょうか。

ネモ 以前は「闘劇」っていう大きな大会が一年に一回開催されていました。言ってみれば格闘ゲームの甲子園みたいなもので、みんなそれに向けて頑張るっていう感じでした。

でも最近は、海外の大会が主流になってきたのと、国内でもイベントが増えたというのもあって、大会に参加できる機会が増えたんです。

前提として、トッププレイヤーとそれ以外のプレイヤーの違いって、大会に出る頻度が違うというのが僕の考えなんです。場馴れというか、緊張しなくなりますから。

かず 昨年は15回くらい海外の大会に出場したんですけど、大会に出過ぎたせいで普段の試合に身が入らない状態になってしまいました。

大会は、練習したものをしっかり出せるかが重要なんです。だから、普段の試合で動きとかの精度を高める必要があるんですけど、そこで気合が入らないとまったく勝てないんです。

――『ストⅤ』では新しいプレイヤーが参入してくると思われます。

そのプレイヤーはゲームセンター文化ではなく、オンライン対戦で育ってきた世代になります。そういう新世代プレイヤーに期待していることはありますか。

ネモ 今回、パソコン版とPS4版と違うプラットフォーム同士でも戦えるのが魅力的で、特にパソコン版が気になっています。

それというのも、格闘ゲームとは違ったジャンルのパソコンのゲームをプレイしていた人たちが参入しやすくなったんじゃないかと感じているからです。

自分が知識のないジャンルのプレイヤーが『ストⅤ』に参入してくるケースもでてくると思うので、対戦するのが楽しみですね。

かず 自分が今まで一番若い世代で、次の世代が参入してくるというのを味わったことがないので、どんどん参加してきてもらって、下の世代に追われる感覚を味わいたいですね、ネモさんの世代のプレイヤーはどんな気持ちだったんだろうって。

ネモ でも自分は追われているって感覚はなかった。

自分は高校生時代から大きな大会に出場していたのもあって、上の世代を倒してやろうって気持ちが強かったんですよ。

今のゲームセンターだと高校生とかを見ないのでさみしい気持ちはあるんですけど、オンラインなら若い人たちと対戦できる機会も多くなるので、その若い層がトッププレイヤーに成長してくれるかどうかが楽しみですね。

オンライン対戦のメリットは、若い層が入りやすいところにあると思います。

かず 「若いプレイヤーが入ってこないと」って思う危機感はあります。現状のトッププレイヤーの中で若いといっても20代後半とかばかりなので。

ネモ トパンガリーグの面子が、かずのこを抜かしたらほぼ30代ですからね。

かず それが『ストⅤ』で変わってほしいと期待しています。