日本プロeスポーツ連盟が設立

3月30日、日本プロeスポーツ連盟(Japan Pro eSports Federation:JPeF)の設立発表会が開催された。発起人であるSANKOの鈴木文雄代表取締役、Sun-Genceの梅崎伸幸代表取締役、マイルストーンの松本順一JCG代表の3人が共同代表理事を務める。

eスポーツ(e-sports=Electronic sports)は、ビデオゲームの対戦によるスポーツ競技で、世界的に競技人口が増加している。しかし、国内では認知度が低く、日本はeスポーツの後進国とも言われている。日本のeスポーツを世界レベルに引き上げることを目標に、日本プロeスポーツ連盟を設立した。

監事を務めるロジクールの古澤明仁氏は、「世界のスポーツ人口は約22億人。eスポーツの競技人口は3億3500万人で、さらに年々増えている。視聴者数はゴルフのマスターズやNBAのファイナルを上まわっている。ただ、日本ではまだ普及していない。そこで、ゲーマーをアスリートに、eスポーツをプロスポーツに、をスローガンに掲げた」と説明した。

eスポーツの普及のためには、参戦と観戦、共有する場が必要と考え、JPeFがリーグを設立したり、既存の大会を公認したりするなどして土台づくりをしていく。また、eスポーツの課題にも向き合っていく。

まずは、プロの定義づけだ。カーレースであれば、明確なライセンス制度があり、それがなければプロとして活動することができない。そこでeスポーツライセンスの制度化を進めていく。現時点では具体的な施策は明らかになっていないが、プロとしての定義決め、講習会制度などを検討している。

4月には東京アニメ・声優専門学校専門学校eスポーツ部門(e-sportsプロフェッショナルゲーマーワールド)が開講するが、卒業後に何らかのライセンスを与える計画のようだ。また、選手だけでなく、チームや大会運営にもライセンス制度を整える。

次にビザの問題だ。海外の選手がプロ選手として日本で活動する場合は興行ビザが必要だ。Sun-Genceの梅崎伸幸代表取締役社長は、自身がオーナーを務めるプロeスポーツチーム『DetonatioNGaming』に所属する韓国人選手2名が日本で初となるプロゲーマーがアスリートビザを取得したと発表した。

今回発行された興行ビザ・基準省令3号は、通称アスリートビザとも呼ばれ、プロ野球やサッカーなどのスポーツ選手が日本で試合に参加する際に必要な在留資格だ。これにより、eスポーツの選手がほかのスポーツ選手と同じく”プロスポーツ選手”として認められたことになる。

このほかの課題として、景品表示法による大会での賞金額の規制、歴史が浅いためマーケティングデータが不足している、ゲームの著作権の問題などがあげられた。JPeFは今後、eスポーツライセンスの制度化などでこれらの問題を解決していく予定だ。