質問する

人の心を動かすためには聞き上手であることが大切だといいます。聞き上手な人の会話は「相手8割、自分2割」。たくさん話をしてもらうことで、相手の「自己重要感」を満たすことができるのです。

そのために必要なのが「質問」。こちらからの質問によって会話の行き先が決まっていきます。会話の流れの中で自然に質問していくための方法が「チャンクサイズ・コントロール」というもの。会話のかたまり(=チャンク)を意識して質問していきます。

たとえば、「好きな動物は?」「猫です」、「では好きな猫の種類は?」というように、話のかたまりを小さくしたり、逆に大きくすることもできます。

また、「好きな猫の種類は?」「◯◯です」、「そういう猫がいるんですね。他にはどんな種類が好きですか?」などと、同じかたまりで会話を続けることもできます。

会話が続かないと、なんとか話をしなくてはと思うかもしれませんが、相手に質問して話の流れを作っていけばいいのですね! あまり親しくないママ友などとの会話でもこのテクニックは使えそうです。

陰で相手を褒める

誰でも褒められると嬉しいもの。特に、自分のいないところで誰かが自分のことを褒めてくれていたと知ると、自分に自信がつきますよね。

アメリカの大学で行われた実験でも他人のことを積極的に褒める、ポジティブ・ゴシッキング(前向きな噂話)をする人ほど、相手に親密感を持たれるということがわかっているそう。

人の心を動かすことができる人は、このように本人がいないところでの”褒めの陰口”が上手だといいます。まずは自分に関わる5人を、本人のいないところで褒めてみてください。それにより、本人からも喜んでもらえ、話をしている相手からも親密感を持ってもらえるはずです。

相手の間違いを正さない

会社などで自分の言ったことが伝わっていなかったり、忘れられたりしているとイラッとしますよね。それは、自分の主張がないがしろにされていることで、自己重要感が傷つけられたと感じるからです。そのため、何としてでも相手の間違いを正したくなるのだそう。

しかし、人望がある人は自分の自己重要感を取り戻すことより、相手の自己重要感を傷つけないこと、相手の心を動かすことを優先させるといいます。

そのため、相手が見当違いの発言をしたとしても、それを「正す」ことはしないのだそう。

では、どのように対応するのでしょうか。それは、「否定をしない」+「気付かせる」+「答えを言わない」+「正さない」の4つのルールで相手に気付かせるということ。相手が間違いに気づくまで、忍耐強く質問を繰り返すのです。

特に部下や後輩に対しては、このようなコミュニケーションは相手の心をつかむ力として他の人と比べものにならないほど効果的だといいます。

「言った」「言われていない」でトラブルが起きるのはよくあること。お互いの主張をぶつけ合うのではなく、冷静になって4つのルールをやり切ることで、自分の自己重要感も満たされるのだとか。

はじめは忍耐強さが必要かもしれませんが、このルールを身につければ、自然と相手の心を動かすことができそうですね!

神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り』の一部をご紹介しました。

本書では科学的根拠に基づく「人の心を動かす」ための条件やメソッドが具体的に書かれています。これらを実践することで、単に「伝え上手」になるのではなく、あらゆる人間関係の悩みから解放され、人生を大きく変えるきっかけになるはずです。

気になる方はぜひ本書をチェックしてみてください。

ライター。音楽系の出版社で6年間勤務した後、かねてからの目標であったアメリカでの短期留学を果たし、現地でフリーペーパー制作のボランティアを行う。帰国後は、実用書を扱う出版社にて女性エッセイや心理本などの編集を担当。その後、ライターとしての活動を始める。北欧のヴィンテージ食器が好き。