立ち飲み屋『トゥンスンイネ』の作り置きのつまみ

最近、日本と韓国は政治的には対立傾向にあるが、旅行するには問題ないどころか、航空券も値下がりし、レートが日本からの旅行者に圧倒的に有利なので、今がまさに行きどき、食べどき、遊びどき。

今回は今だからこそ楽しめるソウル中心部のチープグルメやアクティビティをお教えしよう。

おわんになみなみと注がれた生マッコリが1杯90円! しかもつまみ付き

立ち飲み屋『ドレミ・ジャンスルチプ』の内部。常連のお年寄りには特別にイスが提供される

話題の鍾路3街(チョンノサムガ)エリアには韓国では珍しい立ち飲み屋が2軒ある。

鍾路3街駅の8番出入口から歩道をそのまま進み、宗廟(世界遺産)に突き当るところを右方向に道なりに歩くと、すすけた緑色のテントがかかっているのが『ドレミ・ジャンスルチプ』(主人は男性)。

立ち飲み屋『ドレミ・ジャンスルチプ』の外観

歩道をそのまま数メートル進むと、エンジ色のテントがかかっているのが『トゥンスンネ』(主人は女性)だ。

2軒とも1000ウォン(約90円)で、おわんに注がれた生マッコリかショットグラスの韓国焼酎が飲める。もともと、このエリアで憩うお年寄りが多い店だが、最近は懐古趣味がブームなので、若者の姿も見られるようになってきた。

店の人に「マッコリ ジュセヨ(マッコリください)」「ソジュ ジュセヨ(焼酎ください)」と言って1000ウォンを渡せば、サッと酒が出てくるので外国人旅行者でも利用しやすい。

つまみはテーブルの上に並んだキムチやナムル、ひと口チヂミやソーセージ、ふかしたジャガイモなどが食べ放題。つまようじで刺して食べる。

2軒とも1~2杯飲んで帰る人がほとんどなので、長居は禁物。ここで勢いをつけて、酒飲み天国、鍾路3街の迷宮に飛び込もう。

立ち飲み屋『トゥンスンイネ』の外観

『ドレミ・ジャンスルチプ』鍾路区鳳翼洞50 09:00~19:30 無休
『トゥンスンイネ』鍾路区鳳翼洞51-12 11:00~18:00 無休

鍾路3街駅5番出入口付近でクッパが180円! 大盛り素麺が220円!

『ソムンナンチプ』のスープ、ごはん、大根キムチ

今ならクッパが2000ウォン(約180円)で食べられるのが、鍾路3街駅5番出入口のすぐそばにある『ソムンナンチプ』。

日本で言えば『NHKのど自慢』に当たる人気テレビ番組『KBS全国のど自慢』の名物司会者ソン・ヘさん(92歳、現役)の名前が冠された店だ。

この辺りは最近こそ若者が増えたが、もともとは東京の巣鴨のようなシニア天国だったため、若者や外国からの旅行者は入りにくい雰囲気だった。

しかし、ここ数年、駅の北側にある益善洞(伝統家屋をリノベーションしたカフェやレストランの街)が人気を博したため、この店の客層も多様化している。

料理はウゴジタンと呼ばれる大根の干し葉のスープだけだから、席に着けば、スープとごはん、大根キムチがサッと出てくる。

店先の大鍋で煮立っているスープは牛肉でダシをとっているので2000ウォンの食べ物とは思えない旨味がある。激辛ではないが、コショウがきいているので、ごはんが進む。

楽園商街ビル地下の市場にある食堂のチャンチククス

一方、韓国版立ち食いそばといえるチャンチククス(汁かけ素麺)が2500ウォン(約220円)で食べられるのが、鍾路3街駅5番出入口をのぼると右手に見える、1階部分がトンネルのような車道になっている楽園商街ビルの地下市場だ。
 

地下市場などというと怪し気に聞こえるかもしれないが、シニア客が多いだけで、いたって健全な空間。

楽園商街ビル地下の市場にある食堂のコンククス

市場の中央には、不統一なデザインのテーブルや廃校から払い下げられたような椅子を並べた屋台風の食堂が数軒あり、チャンチククスのほか、ピビムククス(辛くて酸っぱいソースがけ素麺)が3500ウォン(約310円)、カルククスが4000ウォン(約360円)、コンククス(豆乳スープの冷麺)が5000ウォン(約450円)で食べられる。

チャンチククスはイリコダシの関西風スープで、あっさりしていて朝食にぴったり。麺の量は日本の立ち食いソバの1・5倍はあるだろう。

『ソムンナンチプ』の外観

ソムンナンチプ 鍾路区楽園洞241 04:30~22:00 無休
楽園地下市場 鍾路区楽園洞284-6 11:00~21:00 無休