モバイル型ロボット電話「ロボホン」

シャープは4月14日、携帯電話市場で世界初となるモバイル型ロボット電話「RoBoHon(ロボホン)」を5月26日に発売すると発表した。税別の価格は19万8000円。音声対話機能の利用には月額980円の「ココロプラン」の加入が必要。4月14日から予約販売の受付を開始した。

発表会で、シャープ代表取締役兼専務執行役員で、コンシューマーエレクトロニクスカンパニーの長谷川 祥典 社長は「スマートフォンの便利さだけでなく、楽しさや愛着といった使う人の気持ちに応えるロボットだ」と説明。家電製品の人工知能化を目指すシャープのプロジェクト「AIoT」の第一弾と位置づけ、1年間で10万台程度の生産を目標とする考えを示した。

ロボホンは、体長約19.5cm、重さは約390g。二足歩行が可能で、音声対話で電話をかけたり、メールを送ったりすることができる。撮影した写真や動画を投影できる小型プロジェクターを搭載しているほか、人を覚えるための顔認証システムやGPS機能なども備える。プラットフォームはAndroid 5.0。背面には約2.0型QVGAディスプレイがある。

ココロプランに加入することで、家庭のWi-Fi接続やモバイル回線接続でカメラやプロジェクターなどロボホンのほぼ全ての機能が使えるようになる。電話を利用する場合は、シャープがMVNO(仮想移動体通信事業者)として提供する音声通話プラン(税別の月額1350円から2280円)の契約が必要。このほか、データ通信専用プラン(税別の月額650円から1580円)と、税別の月額990円と1650円の2種類から選べる5年間の保守サービスも用意する。

初期設定では、「検索」や「音楽・動画」、「天気」、「ニュース」、「地図」などの基本アプリを内蔵し、専用アプリは6月以降に公式サイトで随時追加する予定。

また、コンシューマーエレクトロニクスカンパニー通信システム事業本部コミュニケーションロボット事業推進センター商品企画部の景井美帆チームリーダーが、音声対話などの機能を紹介し、ロボホンのダンスや二足歩行も披露した。

共同開発したロボ・ガレージの高橋 智隆 代表取締役は「ロボホンは、ロボットやスマホの足りなかったところを補完し、人と機械の関係を飛躍的に進化させる存在だ。スマホとロボホンの2台持ちが始まり、いつの日かロボホン1台で暮らしていく時代が来ると思っている」と今後の普及に期待した。