バイリンガルが持っている“優れた能力”

・自由な発想力・問題解決能力・共感力が高い

モントリオールのマギル大学の研究では、「バイリンガルは問題解決能力が高く、自由な発想力、他者に共感する能力に優れている」としています。

・物事の優先度を識別する能力・複数の作業を同時にこなす能力が高い

また、「バイリンガルは脳の神経系統が微妙に変化することで脳の力が増し、複数の作業を同時に行ったり、物事の優先順位をつける能力が高まる」としています。

・注意力・音節を判別する力に優れている

ノースウエスタン大学の研究では、「バイリンガルは音節を判別する能力に優れていて、ざわめきに埋もれた音節も感知できる」としています。研究者は、「頭の中で二つの言葉が行き来しているため、関連性のあるものとそうでなものとの判別が非常にうまくなる」と説明しています。

・記憶力がいい

また、「2か国語を話す人は、1か国語を話す人に比べて脳のワーキングメモリー(作業記憶)が向上している」と言いますし、ルクセンブルクの健康研究センターのレポートでも、「2か国語以上を話せる能力は記憶の保護に役立っている」と言っています。

これは記憶力がいいということですが、バイリンガルやマルチリンガルの人が全員生まれつき記憶力がいいわけはありませんから、バイリンガルになることで脳が鍛えられるのでしょう。

赤ちゃんの頃から、英語も耳に入る環境を!

ワシントン大学の研究者は、「生後11か月の赤ちゃんの脳は、何語であろうと、その環境で聞く二カ国語を、一つの言葉を学ぶのと同じように学んでいる」と言っています。

そして、この研究結果が、「幼児には複数の言葉を学ぶ能力がある、というより乳幼児期こそが、バイリンガル環境を与える最適の時期だと主張できる」と言っています。

単に言葉が身に付くだけでなく、こんなにいろいろな能力が身に付くバイリンガル育児ですから、世界中の親達がバイリンガル環境作りを考えるのも無理ありませんね。

あなたの家庭でも、日本語だけでなく英語も耳に入る環境を作ってみませんか?

【参考】

・Subcortical encoding of sound is enhanced in bilinguals and relates to executive function advantages
・Why speaking a second language can make you brainier: Bilinguals have 'better memories and problem solving abilities'
・Bilingual baby brains show increased activity in executive function regions

「元日本航空CA、英語プリスクール経営者、保育士。幼児教育研究家として『日本欧米いいとこどり育児のススメ』をYouTubeでも発信。著書に『グローバル社会に生きる子どものためのしつけと習慣』『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』『モンテソ―リ教育で伸びる子を育てる』、『ホンマでっかTV』に子ども教育評論家として出演など。」