『オマールの壁』

「ぴあ」調査による2016年4月15日、16日のぴあ映画初日満足度ランキングは、パレスチナの現状を庶民の視点から見つめた社会派ドラマ『オマールの壁』がトップに輝いた。2位に年齢や性別問わず愛されてきた人気シリーズ通算20作『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』、3位に国民的人気アニメのシリーズ第24作『映画クレヨンしんちゃん 爆睡! ユメミーワールド大突撃』が入った。

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1位の『オマールの壁』は、イスラエル西岸地区に建設された分離壁をよじ登り、壁の向こう側に住む恋人に会いに行く青年を主人公に、パレスチナの今を生き抜く若者たちの青春を描いた作品。分離壁は、目的を“テロ対策”としながらも、実際はパレスチナ人の生活を分断し、大きな影響を与えてしまっており、出口調査ではこの現実に衝撃を受けた観客が多く「パレスチナの今の環境でしか作れない映画」「パレスチナ問題に詳しくないがこれから勉強してみたいと思った」「ショッキングな部分が多かった」「現実の問題を突きつけられ、あっという間で目を離せなかった」などの声が寄せられた。

また、過酷な現実を描いた作品ながら「占領と恋愛の話が組み合わさり、心に訴えかけられた」「暗い中でも希望が持てるような内容」「人間として争うのではなく高めあうことが大切だと感じた」「見終わったあとにあたたかい気持ちになった」など、人間ドラマとして作品を高く評価する声も聞かれた。

2位の『名探偵コナン…』と3位の『映画クレヨンしんちゃん…』は長寿シリーズで、毎年観ているというファンも多かったが、コナンは「思った以上の迫力」「黒の組織、公安、FBI三つ巴の戦いはスリリング」、しんちゃんは「親子愛や友情を面白おかしくもきちんと描いているのがいい」「母の愛が描かれていた」と好評。どちらの作品も、シリーズを観続けているファンが満足できる仕上がりになっているようだ。

(本ランキングは、4/15(金)、16(土)に公開された新作映画8本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)