ネットを中心に広がる、ただ聴くだけではない、新しい音楽の楽しみ方。
まだ見ぬ才能の宝庫といえる、ネット音楽シーンの最新事情を展望する。

ネット発アーティストの隆盛 新機軸のサイトも登場

インターネットの普及や音楽制作環境の発展によって、近年ネット発の若きアーティストたちの活躍が目覚ましい。我々の知らないところで、隠れた実力の持ち主たちが次々とその才能を開花させているのである。

ネット発のアーティストの元祖と言えば、動画投稿サイト・YouTubeで注目を浴びたジャスティン・ビーバーや、'03年に米国でスタートした音楽SNS・MySpaceのリリー・アレンあたりが有名だ。彼らは自主的に音楽活動の場をネットに求め、楽曲を制作し、歌を歌い、ネット上で発表、そしてプロデューサーに見出されていった。日本ではニコニコ動画のコンテンツ“歌ってみた”への投稿が活発で、ユーザーに支持されたアーティストたちはメジャーシーンへと活動の場を広げている。すでにデビューを果たしている作詞、作曲、イラスト、アニメまで手掛ける音楽プロデュースチーム・supercellや、柴咲コウが昨年結成したユニット・galaxias!に参加したDECO*27は、自作曲をボーカロイドの初音ミクに歌わせることからそのキャリアをスタートさせた。