しかし、ネット発の音楽シーンは、発信するアーティストの数が増え、楽曲のクオリティも高まり、以前と比べるとハードルが高くなっている現状がある。そんな中、一風変わったアプローチで投稿を手軽に楽しむことができるサイトが昨年10月にオープンした。“音楽を使って遊んだり交流できるサイト”をコンセプトにした「おんがく遊園地」である。従来と何が異なるかというと、投稿コーナーにおいては、企業などが出すお題にあわせて、曲や詞を投稿する公募システムを採用していること。逆に、ユーザー自身がお題を投稿することもでき、音楽を媒介にした交流を楽しむことができる。

また、無料の専用ソフトをダウンロードし周辺機器を整えれば、ネットを通してリアルタイムにデュエットやセッションが楽しめる。バンドの練習スタジオの代わりにもなるのだ。そして投稿によって溜まるポイントを集めれば、CDデビューやライブ出演など、ポイントに応じた特典が用意されているのも面白い。

音楽はただ“聴く”ことから“演る”時代へ突入した。ネットを利用して音楽制作を楽しみながら、これまで気が付かなかった才能を発見できるかもしれない。

かどひろし 編集者/ライター。音楽情報誌、エンタメ系ウェブサイトなどを経て、現在はフリーペーパーやウェブニュースなどを担当。好きなことは、「食べること」と「徹夜」。でも食べるとすぐに眠たくなる。