ヘルスウォッチとスマホを報道陣にお披露目するミスIFA(左)と医療コストの低減を実現すると語る、フィリップスのフィリップスのBernd Laudahn マネージングディレクター

【香港発】ドイツ・ベルリンで9月2日から7日まで開催するコンシューマエレクトロニクス製品の見本市「IFA」。その方向性や見所などを各国の報道関係者にお披露目する「IFA 2016 GPC(Global Press Conference)」が香港と中国・深センで開催された。香港パート2日目の18日、主要出展社による見どころ紹介を行った。

トップバッターで登場したのはフィリップスのBernd Laudahn マネージングディレクター。同社のヘルスケアに関する考え方や関連製品を中心に紹介した。2050年までには地球上の人口が95億人にも達するという見通しのなかで、世界的に高齢化が進展すると、医療コストは経済成長を妨げる結果を招きかねない。

Laudahn マネージングディレクターは「それを避けるためにも、病院から家へ、治療から予防へ、医療から健康なライフスタイルへの構造変化が必要。そのためにデジタル技術を活用すべきだ。その一つがウェアラブル技術。例えば、活動量計や健康状態を検知するデバイスを身に着け、適切なアドバイスを受けることで健康に生活できる状態を保つことができ、医療コストの低減を実現する」と話す。

同社の「パーソナル・ヘルス・プログラム」はそうした発想から提供されるものだ。スマートフォン(スマホ)に接続できる時計や、体重計、体温計、血圧計などの製品群を使い、収集した情報をスマホのアプリに転送すると、望ましい生活集権のアドバイスを受けられる。また、健康的な生活を送るための生活習慣の目標値を設定し、モチベーションが続くような工夫も施されている。このほか、シェービングフォームなしにそのままヒゲが剃れる「Oneblade」も紹介した。

またケルヒャーはSabria Adler プロダクトマネジャーが新製品、高圧洗浄機「K7 プレミアム・フルコントロール」開発の背景を紹介した。水圧が20から160まで可変でき、幅広い用途に使えるうえ、水圧の目安が、手元で確認できるという特徴がある。「高圧洗浄機は古いものを新品に変えるほどの素晴らしい性能があるが、使い方が難しかった。どうすればもっと簡単に使えるようになるのか」とAdler プロダクトマネジャーは語る。多くのユーザーから生の声を聞き製品開発に生かしたという。例えば、布のような素材に高すぎる圧力で洗浄してしまうと、素材自体を痛めてしまうこともある。そこで、「フルコントロール」シリーズを開発、洗浄対象ごとに適切な水圧であるかどうかを確認できるようにしたという。(道越一郎)