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世界中で大ヒットを記録し、ディズニー史上最高傑作の声もある『ズートピア』(2016年4月23日公開)。

「多くを語る必要はなく、ただ、期待して観に行って、満足して映画館を出ればいい」

と絶賛する「ウレぴあ総研」ディズニー特集ディレクターが、主観的にレビューします。

 

期待して観に行って、満足して映画館を出ればいい、というだけのシンプルな話でしかない

ディズニー映画『ズートピア』の見どころの列挙は、誰でも、簡単にできる。

なにしろ、2016年最高の映画の一つであり、ディズニーアニメーション史上の、最高傑作の一つだからだ。

よく作り込まれていて、示唆にも富んでいる。

人間社会の縮図だの、無意識の偏見を描いただの、他メディアがたくさん書いているし、ディズニーもプロモーションしている。

でも、そんな “見どころ” など、これから映画を観る(かもしれない)人たちにとって、大した意味はないように感じる。

「ジュディやニックが可愛いから、観に行きたい」

で、充分だ。

ひとたび映画が始まれば、あっという間に世界観に引き込まれ、笑い、感動し、これ以上ないというほど満ち足りたエンディングを迎える。

ただ、期待して観に行って、満足して映画館を出ればいい、という、極めてシンプルな話でしかない。

だから、『ズートピア』の内容や、見どころの紹介はやめておき、個人的に強く印象に残っている、以下3つの要素についてだけ、どこまでも主観的に書きたい。

 

  1. 『ズートピア』の世界は、ディズニーのテーマパーク並に作り込まれていた
  2. 実写ではなく、アニメーションだからこそ描ける理想郷
  3. 「ありのままで」の次のステージへ

 

1.『ズートピア』の世界は、ディズニーのテーマパーク並に作り込まれていた

『ズートピア』は、原作のない、オリジナル映画だ。

キャラクターはもちろん、世界の細部に至るまで、何もないところから、作り上げなくてはいけない。

命は、細部に宿る。

どんなに見た目の素敵な世界を作り上げても、そこに人々(動物たち)が暮らしている実感がなければ、ニセモノでしかない。

たとえばディズニー・ピクサー最新『アーロと少年』の、雄大な自然の描写は、3DCGの常識を打ち破る、圧倒的な美しさがある。

実写だと言われても、まったく疑う余地がないほどだ。

だが、“作りもの” っぽい。もっと過激に、嘘くさい、と言ってしまってもいい。

『アーロと少年』の世界には、アーロたち “しか” いない。

一方、『ズートピア』の世界には、社会がある、とはっきり実感する。

歴史があり、文化があり、人間関係があり、あらゆる建造物や構造物からは、必然性や意図が感じられる。

もちろん、人間社会のコピーではなく、『ズートピア』の世界だけのオリジナル社会だ。

私は、『ズートピア』を観ながら、東京ディズニーランドや、東京ディズニーシーにいるときと、とても似た感覚を抱いていた。

床のシミ一つにまで意味がある、と言われるほど、ディズニーパークは徹底的に作り込まれ、唯一無二の世界観を構築している。

『ズートピア』の世界には、一瞬にして引き込まれる。ワクワクするし、安心して浸っていられる。

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