離婚に至る理由はカップルによってさまざま。主な要因として挙がりやすいのはすれ違いや価値観の違いでしょう。
高くそびえ立ったその壁を乗り越えるか、それとも離婚を選ぶのか――。

個々の事情によって考え方は異なりますが、世の夫婦はそんな問題とどう向き合ってきたのでしょうか。4組の事例を見てみましょう。

最初に、危機を乗り越え、結婚を継続する道を選んだ方の話を聞いてみました。

Case1、仕事が多忙になり、話す時間がとれなくなった

「自営業の彼よりも、会社員の私のほうが多忙になり、平日は顔を合わせることがほとんどなくなっていました。結婚して丸3年経った頃でしたし、彼のことを『あたりまえに存在する人』としてしか、見ていなかったと思います。主体的に会話の時間をつくろうともしていませんでした。疲れていてそんな元気がなかったんですよね。でも、あるとき彼から『僕たちは今同じ方向を向いていない気がする』と言われてハッとしました。相手を空気だと思っちゃいけないんです。マンネリ化してきたときこそ話をして、方向性を決めていかないといけない。そう気づけてから、再び同志になれました」(34歳/女性/マーケティング)

仕事がある日は無理だったとしても、休日に膝を突き合わせてじっくり話をしてみる――行動を起こすことが大事です。極端な話、パートナーが事故や事件に巻き込まれ、もう二度と会えなくなる……そんな可能性もあります。まずは「あたりまえ」だと思うのはやめてみる。そこから始めてみては?

Case2、子どものことしか話さなくなっていた

「とくに二人目の子どもが生まれてから、夫とは交流が少なくなりました。彼の帰宅は大抵深夜になってしまうので、話せるとしたら朝の20分程度と休日です。そこで共有するのはほぼ子どもの話。うん、うんと聞いてくれて、土日のどちらか1日は子どもを遊びに連れていってくれますが、私自身には無関心のように思えてつらくなったんです。すれ違っているとはこのことかなぁと感じて、あるとき訴えました。『私のことも少しは気にかけてほしい』と直球で伝えた日から、昔ほどではないものの、コミュニケーションが復活した気がしています」(32歳/女性/主婦)

ある一定の年齢に到達するまで、子持ち夫婦の会話のメインテーマが「子ども」になるのはあたりまえ。しかし、それだけでは満たされないことも。家族という大きな枠で考え、それを構成するメンバー全員のことを考える必要もあるのです。

次は、離婚する道を選んだ方のエピソードをご紹介します。