立川理道 (c)F.SANO 立川理道 (c)F.SANO

日本ラグビーがまた新たな歴史の扉を開いた。4月23日、ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズがジャガーズを36-28で下し、見事に『スーパーラグビー(SR)2016』初勝利を掴んだのだ。

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戦前、初勝利を予想した人は少ないだろう。相手は昨年『W杯』で4強入りしたアルゼンチン代表を主体にするチームである。しかもサンウルブズは前節、チーターズに17-92と記録的な大敗を喫していた。さらにPR稲垣啓太やLO真壁伸弥、WTB山田章仁と『W杯2015』日本代表勢にケガ人が続出。明るい材料は決して多くなかった。

その瞬間、秩父宮ラグビー場が沸騰した。後半39分、29-28とリードし、初勝利へのカウントダウンとなったゴール前5mラインからのマイボールスクラム。誰もが時計を進めるためのスクラムかと思われたがサンウルブズはアタックを仕掛け、SOトゥシ・ピシのオフロードパスを受けたCTB立川理道がポールの間に飛び込んだ。

殊勲のトライを挙げた立川は「9週目にしてやっと勝てた。ここまで厳しい戦いだった。(チーターズ戦の)あの負けを経験し、色んなことを考えた。今日競った試合の中で、あの試合のような思いを二度としたくないと思い、一人ひとりが役割を全うした」

指揮官はノーサイドの瞬間、涙した。

「選手の努力の甲斐があっての勝利。選手たちを誇りに思う。最後、コーチボックスで思いがけず涙が出た。選手たちは本当にピッチ内外でハードワークしてくれた」(マーク・ハメット)

キャプテンも泣いた。

「(苦しい状況にも)ポジティブに、何でもポジティブに考えて前へ進もうとやってきた」(堀江翔太)

ホーム・秩父宮に帰って来たサンウルブズは、世界最高峰リーグで戦えることを証明した。これまで苦戦してきたスクラムで押し込んだ。接点でFWが前へ出続けた。SH日和佐篤、ピシのサントリーコンビは、速いテンポのパス回しを実践。キックを担ったピシはトライ後のコンバージョンを3本、PGを4本決め、18得点を叩き出した。歴史的勝利に酔いしれたフィフティーンだが、戦いはまだ折り返し地点を迎えたばかり。

ジャーガーズ戦前日、堀江はこんなことを言っていた。

「大敗した次の試合は非常に大事」

大敗した次の試合で初勝利を果たした今、「勝った次の試合が非常に大事」になる。立川は「この勝利をいい経験にして、また次に向けて準備していきたい」と前を向く。

サンウルブズの次戦は、5月7日(土)・秩父宮ラグビー場でキックオフを迎える。相手はサンウルブズと同じ1勝7敗と苦戦するフォースである。フォースは4月29日(金)のブルズ戦を経て来日するが、サンウルブズは第10節に試合がないため、万全の準備ができる。つまり、連勝の可能性は十分にあると言うことだ。ヒトコム サンウルブズ×フォースのチケットは発売中。試合当日は先着1万名にサンウルブズ特製タオルをプレゼント。