ハウステンボス新エリアのテーマは「ロボット」

ハウステンボスは、園内に世界最先端のロボットを結集した「ロボットの王国」を7月16日にオープンする。ゴールデンウィーク期間中(4月29日~5月5日)には、プレオープンイベントを開催し、一部のイベントやダンスショーを体験できる。

ハウステンボスはこれまで「花」「光」「音楽とショー」「ゲーム」「健康と美」の五つの王国を展開。独自の世界観を創出し、幅広い年齢層のユーザーを取り込んできた。第6の王国となる「ロボットの王国」では、ロボットを“遊ぶ・作る・体験する”ができる「ロボットの館」や、200年後のレストランをテーマにロボットの店長とシェフが給仕する「変なレストラン」を用意。世界でも類をみない唯一無二の“ロボット体験”を提供する。

「ロボットの館」は、ロボットショー/ロボット体験/ロボットヒストリー/企業ブース/ロボットショップ/ロボット試乗の七つのゾーンから成るミュージアム。注目はロボット試乗ゾーンで、搭乗型ロボット「バトルキング」に乗って、対戦ゲームを体験できる。「バトルキング」は今回が西日本初登場。プレオープン期間から設置する目玉企画の一つだ。

日本初のロボットがメインで運営する「変なレストラン」には、移動支援ロボットを搭載する「ロボットスーツ」が給仕を担当するほか、調理を担う「お好み焼きロボット」やソフトクリームロボット「やすかわくん」など、さまざまなロボットが登場。各テーブルにはコミュニケーションロボット「タピア」を設置しており、注文の受付や空き席状況を管理し、円滑な運営をサポートする。

澤田秀雄 代表取締役社長は「お客様に喜んでいただく」という大前提のほかに、ロボット王国設立に当たって二つの目標を発表。一つ目は「世界一生産性の高いテーマパークにすること」だ。「昨年オープンしたロボットを従業員に採用した『変なホテル』は、オープン当初30人いたスタッフが1か月後には12人まで減った。先月、増築して部屋数は2倍になったが従業員は増えていない」と言うように、すでにロボット運用による成果は挙がっている。

二つ目は「ロボットの実用実験地にすること」。ハウステンボスは西ヨーロッパのモナコ公国の面積と同等の敷地面積を誇るテーマパーク。この広大なエリアは私有地であるがゆえ、スピーディかつ自由度の高い実用実験に取り組むことが可能だ。澤田社長は「技術の進化のスピードに追いつくために本気で取り組む。提携企業は国内だけでなく、海外にも拡大していく。すでに企業側からも“実証実験”の地として高い期待をいただいている」と語った。

経営顧問 兼 技術責任者を務める富田直美CTOは、インテルのブライアン・クラーザーニッチCEOが今年1月のCESで発言した「これからは“Feature(機能)”ではなく“Experience(経験)”」というコメントを引用。「世界中にあるロボットをインターネットで見ることはできるが、生で見ることができなければ意味がない。“経験”しないことには始まらないというのがわれわれの考えだ」と、ロボットを世界最大級に収集することの意義を説明した。

さらに、富田CTOは「日本の開発技術は遅れている」とロボット産業の発展に警鐘を鳴らし、「最先端技術を広く求めることで、未来のロボット社会の入口を“開ける”のではなく“こじ開ける”必要がある」と熱弁をふるった。