『レヴェナント』を手がけた撮影監督の魅力

2016.4.28 18:00配信
『レヴェナント:蘇えりし者』(C)2016 Twentieth Century Fox

公開中のレオナルド・ディカプリオ主演映画『レヴェナント:蘇えりし者』のメイキング映像が公開になった。本作で、3年連続でアカデミー撮影賞に輝いた名撮影監督エマニュエル・ルベツキの描き出す映像の魅力に迫った内容だ。

『レヴェナント:蘇えりし者』メイキング映像

ルベツキは、1964年にメキシコシティで生まれ、朋友アルフォンソ・キュアロン監督の作品を数多く手がけて、好評を博した。彼の名が世界に轟くようになった大きなきっかけは鬼才テレンス・マリック監督の作品を手がけるようになったことだ。これまでネストール・アルメンドロス、ジョン・トールら名だたる撮影監督と仕事をしてきたマリックは、新たにルベツキとタッグを組み『ニュー・ワールド』『ツリー・オブ・ライフ』『トゥ・ザ・ワンダー』を発表。その精緻な映像は多くの観客を驚かせた。

その後、ルベツキは2013年の『ゼロ・グラビティ』、2014年の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、2015年の『レヴェナント: 蘇えりし者』で3年連続アカデミー撮影賞を受賞。このほど公開になった映像で、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督は「ルベツキは私の友人であり、兄弟であり、相棒、教師でもある」と言い、ディカプリオは「誰にでも撮影できるような単純な物語ではない」とコメント。映像にはルベツキのインタビューや、リハーサル風景も収録されている。

監督が語る通り、ルベツキの最大の魅力は「光を巧みに利用する」ことだ。本作では自然の姿を繊細にとらえるため、本作の物語の時代にはまだ電灯が普及していなかったことを考慮して、撮影はすべて自然光のみで行われた。一方で、ルベツキの映像はいつも“レンズ”の存在を重視し、自然を“単に美しく”切り取ることを良しとしない。映画では、主人公グラスが瀕死の状態で大自然の中を旅する過程が描かれるが、彼が地面を這いながら荒々しく呼吸すればレンズは曇り、太陽の強い光が差し込めば映像に虹色の模様のようなレンズフレアが発生し、誰かが負傷すると飛び散った血がレンズに付着し、しばらく画面に残る。大自然の姿を繊細にとらえながら、“肉眼”で見たものとは違った景色を徹底的に追求し、映画でしか描けない映像がそこに現れる。映像の最後でディカプリオは「息をのむような体験ができる」と作品に自信を見せている。

『レヴェナント:蘇えりし者』
公開中

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