KERA演出のブラックコメディ『8月の家族たち』開幕

2016.5.10 14:40配信
舞台『8月の家族たち August:Osage County』 撮影:宮川舞子 舞台『8月の家族たち August:Osage County』 撮影:宮川舞子

ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、上演台本と演出を手がける舞台『8月の家族たち August:Osage County』が5月7日に東京・シアターコクーンにて開幕した。ブロードウェイでトニー賞最優秀作品賞をはじめ4部門を受賞し、2013年には映画化もされた現代アメリカ演劇の傑作が日本初演。キャストには麻実れい、秋山菜津子、常盤貴子、音月桂、生瀬勝久ら実力派が揃った。

舞台『8月の家族たち』チケット情報

物語の舞台は、アメリカ・オクラホマにあるウェストン家の屋敷。薬物の過剰摂取に加え、この家の主人であるベバリー(村井國夫)が突如失踪したことで錯乱気味の妻・バイオレット(麻実)の元に3人の娘たちが帰ってくる。長女・バーバラ(秋山)と夫のビル(生瀬)と娘のジーン(小野花梨)、次女で独身のアイビー(常盤)、三女のカレン(音月)とその婚約者スティーブ(橋本さとし)。そしてバイオレットの妹マティ・フェイ(犬山イヌコ)とその夫チャーリー(木場勝己)、息子のリトル・チャールズ(中村靖日)の一家も集まる。これまで決して密な関係とは言えなかった母と3姉妹、そしてその縁者達が一堂に会し、お互いにかみ合わなさを感じながらも主人の行方を心配するが、ベバリーは近くの湖で亡くなっていたことが知らされる…。

母と娘たちのそれぞれが生きてきた人生、胸にしまっていた想いが一気にぶつかり、語られなかった秘密が次々に明らかになっていく。これまで数多く家族や姉妹を巡る群像劇を手掛けてきたKERAが、丹念にそしてテンポよく練り上げた会話劇には飽きることがない。自分が当事者ならば全く笑えないハードな状況ではあるものの、客席から覗き見する視点でみると、一家の必死な姿はどこか可笑しく笑わされてしまう。異常と正常の揺らぎを、時にシニカルに時にコミカルに演じる母役の麻実をはじめ、頼れる長女でありつつも夫との関係に揺れる姿をリアルに演じる秋山、秘密の恋愛を育む次女役を柔らかな空気をまとい演じる常盤、屈託なく自由に生きているように見えるがどうも男運が悪く苦労を感じさせる三女役の音月。生瀬勝久、木場勝己、橋本さとしといったこの女系家族の映し鏡である男性陣も大きな魅力だ。キャスト陣のポテンシャルの高さもあいまって、会話の一つひとつが生き生きとした波を生み、その味わい深いセリフの応酬を聞いているだけで、あっという間に時が経ってしまう。

公演は5月29日(日)まで東京・シアターコクーンでの後、6月2日(木)より5日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールでも上演。チケットは発売中。

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