前列左から、杜けあき、姿月あさと、峰さを理、初風諄。後列左から、大和悠河、湖月わたる、水夏希 前列左から、杜けあき、姿月あさと、峰さを理、初風諄。後列左から、大和悠河、湖月わたる、水夏希

2014年に宝塚OGが世界初・女性キャストのみで上演したミュージカル『CHICAGO』。歴代トップスターをはじめ、華やかかつ実力のあるメンバーが、ブロードウェイのクリエイティブ陣と作り上げたこの舞台は大きな評判となった。この際の好評を受け、今夏、NYリンカーン・センター・フェスティバルでの公演が決定。横浜、NY、東京、大阪のワールドツアーとなる。5月11日、その制作発表が行われた。

ブロードウェイミュージカル「シカゴ」宝塚歌劇OGバージョン チケット情報

1920年代のシカゴを舞台に、殺人すらもチャンスに変えようとする野心溢れるヴェルマ、ロキシーら悪女たちと、悪徳弁護士ビリーを中心とした、スキャンダラスな物語。ジャズナンバーとクールなダンスに彩られたミュージカルだ。ブロードウェイでは今年ロングラン20周年を迎え、今も絶賛上演中のため、宝塚OG版が上陸する7月にはNYでふたつの『CHICAGO』が同時上演されることになる。

会見にはビリー役の峰さを理、姿月あさと、ヴェルマ役の湖月わたる、水夏希、ロキシー役の大和悠河が出席。「NYに行くことは今からドキドキワクワク。本場でどう受け止められるのか、楽しみだし、怖くもある。緊張感を持って挑みたい」と語るのは峰。2014年の宝塚OG版初演に際し、ブロードウェイの劇場に赴き「女性のみのCHICAGO」の上演を発表した姿月は「NYの方々に、女性が男性の扮装をすることに大変興味を持ってもらった。私たちの公演を受けて、ブロードウェイでもビリー(男性)役をやりたいという女優が出て来たら面白いね、と言われました。それほど、世界的にもチャレンジな公演です」と話す。

また「宝塚ではスパンコールにラインストーン、これでもかというくらい華やかな衣裳と照明と装置でやってきたのに対し、この作品は衣裳も黒のワンピース1枚、セットもシンプル。自分の身ひとつで表現する怖さ、難しさを感じました。でも改めて、その怖さに今回も向きあいたい」(水)と語るように、彼女らにとっても挑戦の舞台となった。だが宝塚OG版の強みは、「ジェントルマン(男役)のかっこよさと、レディース(女役)の美しさ。そして団結力。これは絶対に世界に通用する」(湖月)、「どの『CHICAGO』より美しく、エレガントなものになる」(大和)。世界に『CHICAGO』は数多ある中、ここにしかない宝塚OGの『CHICAGO』をお見逃しなく。

なお、NY公演では終演後、レビューショー『タカラヅカ・アンコール』が上演される。「せっかくトップスター経験者だらけ。彼女らが出身した宝塚というところがどんな場所か、一端でもいいから見せられるショーに」(演出・三木章雄)とのこと、こちらも必見だ。

主要キャストはダブルキャストもしくはトリプルキャスト。ほかにビリー役に麻路さき、ヴェルマ役に和央ようか、ロキシー役に朝海ひかる。公演は7月9日(土)から14日(木)のKAAT 神奈川芸術劇場大ホールを皮切りに、7月20日(水)から24日(日)にはNYのデビット・H・コーク・シアターで上演。その後8月に東京・大阪公演を行う。国内チケットの一般発売は5月21日(土)より。