テレビは9月1週に販売台数前年同週比で177.4%と高い伸びを示した

全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」の速報値によると、消費増税前における薄型テレビの駆け込み需要(販売台数ベース)は7月第1週から発生していたことが明らかになった。デジタル家電市場全体では、9月1週から駆け込みがスタートしたため、薄型テレビがそれよりも2カ月早かったことが分かった。最新の9月1週は、前年同週比177.4%で前回比より32.6ポイントも高い伸びを示しており、残り3週も大きな伸びが期待できそうだ。

赤い折れ線グラフは、今回の前年同週比の推移。青い折れ線グラフは、2014年4月の前回消費増税時の前年同週比を示す。なお、今回と前回の比較は19年10月と14年4月を基準に行っているため、図の右にある対応表のような関係になる。

BCNランキングでは、薄型テレビが前回よりも全般的に前年同週比で高い伸びで推移している。地上デジタル放送の開始から8年が経過して、テレビの買い替えサイクルに入っていることや、18年12月に新4K衛星放送がスタートしたことで4Kチューナーを搭載するテレビの構成比が6割を超えていることなど、「増税に伴うものだけでなく、こうした複数の要素が重なっている」と、BCN総研の道越一郎チーフエグゼクティブアナリストは分析する。

また、通常は6月と7月のボーナス商戦が終わる8月に「夏枯れ」を起こすが、今年は8月に入ってからも前年同週比で大きく伸びていることから「9月の最終週は前年同週比で200%超えもありうる」と予測する。

ただ、下の棒グラフが示すように薄型テレビの販売台数は4年前よりも縮小している。棒グラフは、前回の14年12月1週を100としたときの指数の推移を示すもの。100以上になったのは、19年7月3週、8月3週、8月5週、9月1週だけとなっている。販売台数指数で前回よりも上回る週が増えれば、テレビの需要回復は本格的になるといえそうだ。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからPOSデータを通じてスマートフォンやデジタルカメラ、4Kテレビなどの販売台数・金額データを毎日収集・集計しているデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。