違和感のない、作品を盛り上げる名主題歌が出来る秘訣

――TOHO animation RECORDSとしてアニソンを盛り上げようと意識していることはありますか?

公式サイトより

三上:アニメーションの主題歌で言うなら、いわゆるタイアップ感を出さない。

タイアップ感を出さないというのは、そのアーティストが歌った曲を聴いたときに宣伝としてつけたタイアップじゃないよっていう。この作品のためにこのアーティストが書いた曲なんですっていうところをプロデユースする側としてはすごく意識してますね。

逆にそれだけを意識してしまうと主題歌ごとにアーティスト性が見えにくくなってしまうこともあるので、アーティストの個性を活かしながら、アニメ作品にどう寄り添って行くのかを重要視しています。

『弱虫ペダル』はじめ他のタイトルも、“作品に寄り添う、でもアーティスト性は失わずに”というようにバランスを取っていくのが、TOHO animation RECORDSのレーベルとしての大きなスタンスかな、と考えています。

――あえてタイアップ色を出さずに、アーティストとのバランスをとる形にしている狙いはなんでしょう?

三上:「音楽の何が面白いかな」と考えた場合に、音楽ってすごく記憶との結びつきが強いコンテンツだと思うんですよね。

「昔、受験勉強のときに聴いていた音楽を今聴いたら、当時の感情や情景も思い出す」みたいな記憶とのリンクがすごく強いので、映像作品でいうと、このOP曲を聴いたら何十年後でも、OPの映像・作品の内容が蘇る、くらいのリンク感があった方がいいと思うんですよ。

アーティストもいずれはこの世を去りますが、発表した音楽は様々な形で後世に残ります。主題歌だったならそのアニメ作品と一緒に伝わっていくほうがいいじゃないですか。

主題歌・テーマソングと言われるものは、やっぱりその作品のテーマでなければいけないかな、と考えているので。現状きちんとそれが出来ているかはわからないですが、そうなるように頑張ってはいます(笑)。

気になる!オーディションでみるポイント

――応募してくる方のために、判断するポイントを少し教えていただけないでしょうか!

三上:ポイントはいくつかあります。1つは、声質。

これはその人が生まれもった個性なので。次に表情です。表情には人間性や精神性が少なからず出ます。

もちろん歌などパフォーマンスが出来ていることに越したことはないですが、細かくピッチがとれているか、歌の細かい表現なんかは、これから僕らと頑張っていけばどうにかなる部分なので、声質や人となりを見ますね。

あと一番重要なのは、情熱です。

情熱がないとパフォーマンスをして人を魅了し、自分の世界へ巻き込んで行くことは出来ないので。

鈴木:僕は単純に感覚がすごく大きいですね。

例えば写真を見て、「この子が歌っているのを見てみたいな」だったり。ライブをやったときに、パワフルなのか可愛いのかわからないけれど、そういった想像ができて歌っているところを見てみたいと思えるような人。

あとは実際に歌を聴いてみて、印象に残るのは、声に説得力があるかどうか、何かパワーが入ってくる人。

そして本当に感覚の話なんだけど、透明感ってあるんですよね。

聴いていて、声に透明感があってパワーがあるとやっぱり印象に残るので、「会ってみたい」ってなるかな。傾向的にはビジュアルと声。僕はそんな感じですね。

三上:あとオーディションでいうと、カバー曲とかをカラオケで歌ってきているときに、その誰かの歌を自分のものとして表現してきてくれていると「あ、この人の歌になってる」ってわかると、すごく惹かれます。

似せるのではなくて、自分ではないアーティストが書いた歌詞を自分のものにして誰かに伝えようとすることができていると、これも感覚的なものですけど、聴いたとき歌詞やメロディーがスッと入ってくる。

なかなか難しいことですが、歌詞や曲を噛み砕いて理解をすればするほど、伝わるものは違ってきます。

――記載がないのですが、最終的に何名が受かるというのは決まっているんですか?

三上:今回は明確に定めていません。

一度デビューすると人生の一部を芸能活動で費やすという、その人にとってはすごく大きな決断になる。

よく公開オーディションだと最終的に誰かが必ずその場で決まらなければいけない。それはそれでコンテンツとしては面白いんですけれども、幸せなことも不幸なことも起こり得るんですよね。

僕としては東宝という会社でやるからには、そこはきっちり誠実さをもってやるべきだなと。惰性ではないきっちりとしたオーディションをやっていきましょう!というのは東宝芸能さんとも意思疎通をとってやっています。

――では、今回のオーディションで複数名選ばれる可能性もあるんですか?

三上:もちろんです!1名だけというわけではなく、複数名優秀者が選ばれるという可能性も十分ありえます。

僕らがこういったオーディションをする理由は“新たな才能に会いたい”。才能はあるのに枠が決まっていて世の中に出れないというのは、それほど残念なことはないですから。

上限や下限の制限を大きくは設けていないです。

――ありがとうございました!

才能が目に止まれば、複数のアニソンアーティストが誕生するかもしれない、夢のあるTOHO animation RECORDSオーディション!

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