ウェブメディア編集長ママが務める会社の子連れ出勤事情

最後は、Webコンテンツの企画制作などの事業を行う株式会社ノヴィータで働いている、鎌田薫さんの体験談。

現在、鎌田さんはウェブメディアの編集長の仕事をしており、一歳の娘さんの生後2ヶ月頃から、子連れでこの仕事をスタートしました。

ノヴィータには、どんな子連れ出勤のルールがあるのでしょうか?

鎌田薫さん(以下、鎌田)「社長自身がママで、子どもが小さいときに子連れ出勤の経験があります。

その経緯があることから、弊社では子連れでの出勤や打ち合わせの参加が可能です。フルリモートワーク勤務を複数人受け入れているなど、働き方への理解がある社風。

私は実際のところ、子連れで出勤の日は少なく、週に一回ほどのペースです。取材、ミーティング、打ち合わせもすべて子連れです。外部の方との仕事の場合は、先方に子連れは可能であるか必ず確認をとるようにしています」

――子連れ出勤について、どのようにとらえていますか?

鎌田「子どもが歩き出すまでの小さな頃は、静かにしていることも多いので、保育園に預けるのと違って、離れることなく仕事ができるのは良いと思っています。

また、4歳になる上の子は生後半年から子連れで仕事をしていましたが、大人の環境に常に一緒にいたことで、コミュニーケーション力も高く、状況を読む力もつきました。

幼稚園の夏休み中で何度か打ち合わせ同席させることもありましたが、ママが仕事をしていることが理解できているので、その場では絵を書くなど静かに過ごすこともできるようになっています」

――子連れ出勤について、課題に感じていることはありますか?

鎌田「子どもによって職場で静かにできるかそうでないかは差があるので、一概に子連れ可能といっても毎回、うるさくなってしまうようであれば、母親本人も申し訳ない気持ちで集中できず職場の仲間も集中できず、どちらもハッピーではなくなってしまうケースもあります。

また、同じ子どもでも体調やご機嫌によってひどく暴れてしまうこともあり、職場やミーティングの場をうるさくしてしまうことがたまにあります。

子どもは常に静かにできるわけではないので、今日は静かにしていられるかだろうか、という若干の不安感を抱えねばならないのが課題です」

――今後、子連れ出勤環境がこう進化すればいいなど、要望はありますか?

鎌田「やはりうるさくしてしまうことが一番のネックなので、子どもが遊べる防音のスペースが社内にあればいいのにな、と思います。また、子連れで通退勤ラッシュの時間帯に電車に乗るのは苦難なので、出退勤時間をずらすなどの対応があればいいのではと思います」

子連れ出勤は子どもの社会性などの面ではいい経験になる一方で、常に大人しくしているわけではないのは仕方のないこと。職場環境や社員の理解がここでも重要になりそうですね。

子連れ出勤のリアルなところをお伝えしてきました。どの会社もメリットや課題は同じようなことを感じているようですね。

今後は複数の会社が協力する、預け場所の環境を会社の近くに設けるなどの工夫が必要になってきそうです。

【取材協力】株式会社CAMPFIRE
国内最大のクラウドファンディング「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」を運営。2011年1月創業、従業員数は108名(2018年12月末時点)、本社は東京都渋谷区、代表取締役は家入一真。

山内 美穂さん
大学卒業後に就職した大手銀行を1年で退社、ファッションデザインをゼロから学び、レディスアパレルのデザイナーとして再就職。その後、現在の夫の海外転勤をきっかけに退職し、ウェディングペーパーアイテムのオンラインショップを立ち上げる。3年後に株式会社化した。会社を続けながら3人の母となり、会社経営と子育ての両立に奮闘中。

鎌田 薫さん
大学卒業後、金融機関、リクルートを経てハリウッドビューティサロン支配人に。ロンドン駐在帯同より帰国後、働くママ向けのメディアLAXIC(ラシク)編集長に就任。ママ支援コミュニティ「ヒメママ」や「メンターフォー」でも活動中。『駐妻キャリア支援プロジェクト』企画・プロデュース。

ライター。美容、健康、グルメなど、今ドキ女性が気になる情報をお届けしています。素朴な疑問を調査したり、専門家に聞いたりして、分かりやすく読者に伝えるのがモットー。