(右より)浦井健治、蒼井 優  撮影:谷古宇正彦 (右より)浦井健治、蒼井 優  撮影:谷古宇正彦

東京・新国立劇場で、6月8日『あわれ彼女は娼婦』が開幕した。本作はイギリスの劇作家ジョン・フォードによる、シェイクスピアら名立たる劇作家を輩出したエリザベス朝演劇の終盤を代表する名作戯曲。純粋にお互いを愛するがゆえにあやまちを犯してしまうジョヴァンニとアナベラ兄妹を中心に、二人を取り巻く人々の欲望が壮絶に描かれる愛憎劇だ。演出に栗山民也を迎え、兄妹に浦井健治、蒼井優、そして若手からベテランまで実力と存在感を兼ね備えた俳優陣が集結。

舞台『あわれ彼女は娼婦』チケット情報

初日公演終了後に浦井と蒼井からコメントが寄せられた。

★浦井健治
演出の栗山さんにジョヴァンニ役としてご指名いただき、「絶対にやりたい!」と思った作品です。近親相姦というのは理解しづらいですが、兄として大切な妹を守りたい気持ちから始まって、段々歯車が狂っていくのだと思っています。ジョヴァンニとアナベラ兄妹の愛が純粋なほど、周囲の人々のエゴや欲望が浮き彫りになってくる仕組みで、古典でありながら現代人にも共感できる部分が多くあると感じます。それがお客様に伝わるよう、エネルギーを持って演じ切りたいです。

★蒼井 優
兄妹の悲恋だけでなく、むしろ人のモラルや常識を核として、人間の業をドラマチックに描いた舞台だと思います。何が「正しい」というのは人間が勝手に決めていることですよね。その点で、今を生きる私たちも考えさせられる作品です。また、栗山さん曰くアナベラは「女性の履歴を駆け抜けた女性」。少女が恋をして母になり、最後には娼婦と呼ばれてしまう。その成長の早さをどう生き抜くかを、お客様にしっかりとお見せしていきたいです。

公演は6月26日(日)まで新国立劇場 中劇場にて。チケットは一部を除き発売中。なお、25日(土)13時の回<ぴあスペシャルデー>では出演者によるスペシャルカーテンコールを実施。