3:大人の「あたりまえ」で叱る
子どもの発想には驚かされることも多いもの。
大人は自分が生きてきた人生の中で常識やルールを身に着けていって、「これが当たり前」というものを積み重ねているため、子どもの柔軟な発想や突飛な発言に笑ってしまったり、「そんな考えはなかった」とびっくりさせられたりしますよね。
たくさんの「当たり前」で縛られた大人は、しばしば自分の常識だけに囚われて子どもを頭ごなしに叱ってしまうときがあります。
大川さんは、話しかけるといつも横を向いてしまう女の子に「話をしている人の顔を見るのがマナーよ。横を向かないで」と注意していたそうです。ところが、実はその子は片方の耳が遠く、きちんと先生の話を聞こうとした結果横を向いてしまっただけだったことがわかったのです。
大人の決めつけで、理由もきかずに注意してしまった失敗談として、大川さんが紹介したエピソードです。
子どもは子どもなりにさまざまな目的をもっていて、それに従って行動しています。
問題行動と言われるような、大人の常識に沿わない行動も、じっくり観察して、「どういう気持ちでこんなことをしているのかな?」「この行動にはどんな意図が?」と見つけてあげることが重要です。
4:何気ない「あなたはダメ」メッセージを言う
自分が苦手だったり、嫌いだと思いこんでいることは、じっくりと紐解いていくと実は幼少期に親から「あなたはこれが苦手だよね」「これ嫌いでしょ」と言われたことが原因だった……ということはありませんか?
「あなたは本当にダメね」と、正面切ってダメ出しする親はそうそういないかもしれませんが、「これが苦手みたいだね」「あんまり向いていないのかもね」などは子どもに対して言ったことがある方もいるのでは。
何気なく口にしてしまいがちな言葉ですが、子どもにとってはこれも「ダメ」と言われているのに等しい言葉になるそうです。
実際に向いていなかったとしても、親に言われることでより強固に「できない」「向いていない」と苦手意識を高めてしまってはもったいないこと。
不用意な発言で子どものやる気をそがないよう、気を付けたいですね。