『ダーク・シャドウ』来日会見に登壇したジョニー・デップ

来日中のジョニー・デップが13日に都内ホテルで主演最新作『ダーク・シャドウ』の記者会見に、8度目のタッグを組んだ盟友のティム・バートン監督とともに出席した。デップの来日は2011年3月の『ツーリスト』PR以来、1年2か月ぶり。東日本大震災が発生して初めての来日で、「お亡くなりになった方々のご冥福を祈ると共に、被災地へのサポートもしていきたい。日本が地球上で最も好きな場所のひとつだ」と親日家の素顔を見せる場面もあった。

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本作は、魔女によってヴァンパイアにされ、200年に渡って生き埋めにされていたバーバナス・コリンズ(デップ)と、その末裔であるコリンズ一家の姿を描くブラック・ファンタジー。1966年から71年まで米国でテレビ放映された同名ドラマをベースに、今や没落してしまった子孫の繁栄を取り戻そうと“吸血鬼”デップが悪戦苦闘する。

これまで海賊や、不思議な帽子屋、カメレオン、殺人狂の理髪師、伝説の犯罪者など数々の役柄に挑んできたデップにとって、今回が意外にも初のヴァンパイア役。「往年のホラー映画に出てくるような、クラシカルな怪物をイメージした。実際の“変身”も古典的な手法を用いて、顔を白塗りしたんだ」とデップ。エヴァ・グリーン演じる魔女とのアクロバティックなラブシーンでは「彼女も同じメイクだから、キスすると口元がドナルド・マクドナルドみたいになってしまうんだ」と苦労も絶えなかった様子。それでも「うちの子どもたちには、(『アリス・イン・ワンダーランド』の)マッドハッターよりかっこいいって評判だよ」と手応え十分だった。

バートン監督は本作をはじめ、リンカーン大統領の秘密を描くヴァンパイア映画『リンカーン 秘密の書』のプロデュースを手がけるなど最近は“吸血鬼づくし”。ヴァンパイアを描いた作品が多く公開される現状に「確かにトレンドなのかもしれないが、僕にとってヴァンパイアは5歳の頃からのトレンドさ(笑)。今回は違った角度でヴァンパイアを描いたつもりだし、ヴァンパイアでいたくないヴァンパイアっていう発想も面白いと思うね」とコメント。本作を2D上映のみにした理由については「舞台となる70年代特有の空気感や“ノリ”を表現したかった。特に当時の鮮やかな色調にこだわりたかったんだ。3Dはどうしても映像が暗くなってしまうからね」と説明。デップとの前作『アリス・イン・ワンダーランド』では3Dに挑んでおり、「もちろん、3Dに対する興味がなくなった訳ではないよ」と補足していた。

『ダーク・シャドウ』
5月19日(土)、丸の内ルーブルほか全国ロードショー