緋影(ひかげ):山田ジェームス武 緋影(ひかげ):山田ジェームス武

乙女ゲームを原作にした『黒蝶のサイケデリカ THE STAGE』が8月に東京・紀伊國屋ホールにて上演される。本作は、同名の乙女ゲーム(PlayStation Vita向け)が原作。過去の記憶を失った少女・紅百合(べにゆり/藤本かえで)が、謎めいた洋館で緋影(ひかげ/山田ジェームス武)らと出会い、拳銃で「黒蝶狩り」をしながら“万華鏡の欠片”を集めていくサスペンスラブストーリー。従来の乙女ゲームとは異なる世界観で人気を博し、熱狂的なファンも多く、初の舞台化に注目が集まる。

『黒蝶のサイケデリカ THE STAGE』チケット情報

今作で座長を務める山田ジェームス武に意気込みを聞いた。実は「恋愛ゲームが好き」という山田。原作もプレイ中だそうで、「乙女ゲームの世界観はわかっているつもりでしたが、『黒蝶―』はサスペンス要素が強くて他とは違う雰囲気。引き込まれました」と語る。

自身が演じる緋影に関しては「僕は、背伸びしてるんじゃないかと思っています。大人な面やクールな面は、実は取り繕ってる部分なのかなって。いろいろ抱えてる分、本当はしんどいんじゃないですかね。でもやさしくてお茶目な一面もありますね」。山田自身はどうかと聞いてみると、「僕はね、悩みがないんですよ(笑)。本当に真逆。そういう役は楽しみも多いです。緋影として中からしっかり作っていきたいです」。

乙女心をときめかせるのも原作の魅力のひとつ。「キュンキュンさせられるかなあ? 僕、どっちかというと残念なほうですよ。女性の求めるものが正直よくわからない」と笑う。「紅百合として恋するなら山都(やまと)。男らしさと荒っぽさの中にやさしさがあってキュンキュンします! 同性として憧れるのは鴉翅(からすば)。本質的にいいところがたくさんあるからあの立ち位置でいられるんだと思う。……でも緋影が一番です!」

舞台で初めての座長を務める山田。「がんばらないとなっていうのはありますけど、僕、気負っちゃうとダメなタイプなので、みんなで作れたらと思っています。今作は、初座長で、乙女ゲームも初で、アクションも初で、女性との恋愛ものも初。本当に初めてのことだらけなんですけど、一つひとつにしっかり取り組んでいって、皆さんに『黒蝶のサイケデリカ』をより好きになってもらえる舞台を届けたいです」

原作や舞台についてたくさんのことを語る山田の姿から、本作への意気込みを感じられた。『黒蝶のサイケデリカ THE STAGE』は、8月3日(水)から7日(日)まで、東京・紀伊國屋ホールにて。

取材・文:中川實穗