写真左より、家長昭博(大宮アルディージャ)、柏木陽介(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS 写真左より、家長昭博(大宮アルディージャ)、柏木陽介(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

1stステージも残り2節と佳境を迎える中(浦和レッズとFC東京は残り3試合)恐縮だが、2ndステージのさいたまダービーの話である。

http://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1622170&afid=652

Jリーグにはあまたのダービーマッチがあるが、浦和×大宮アルディージャはその熱量で他のダービーと一線を画す。Jリーグでは同一府県の近隣都市をホームタウンに持つクラブ同士によるダービーマッチが大半だが、同じ都市をホームに持つ正真正銘のダービーマッチは、さいたまダービーと横浜ダービーしかない。横浜ダービーは横浜F・マリノスがJ1、横浜FCがJ2、Y.S.C.C.横浜はJ3とカテゴリーが異なるため、プレシーズンマッチや『天皇杯』などで不定期に開催されるのみ。一方さいたまダービーは、昨年大宮がJ2に降格し、J1リーグでのダービーは10年連続開催で途切れたが、日本のトップカテゴリーのリーグ戦でしのぎを削ってきた。

そもそも浦和市・大宮市・与野市の3市が合併し、さいたま市が誕生したのは2001年のこと(岩槻市は2005年に編入)。旧浦和市は県庁・市役所・銀行の本店・旧制中学・高校などが集中し、行政・経済・文化の中心地として栄え、旧大宮市は新幹線の誘致に成功し、小売店も密集し、交通の要衝・商業の中心として繁栄した。人口もほぼ同じ、それぞれにカラーがある近隣都市同士が我が街への愛着も相まって対抗意識を燃やしていったのは、当然の成り行きと言える。

さいたま市誕生から15年、市民によるライバル意識はかなり薄まったのに反比例して、浦和と大宮のさいたまダービーは熱を帯びる一方。Jリーグ元年のオリジナル10のメンバーである浦和と、2005年にJ1初昇格を果たした大宮の実績は比べるまでもないが、J1リーグの直接対決通算成績では9勝5分7敗と浦和がわずかにリードするだけ。ここ最近は浦和が4連勝中だが、その前の5試合は大宮が3勝2分と相性のよさを発揮した。

1年8か月ぶりに行われたさいたまダービーでも、パスを回しながら攻撃を構築する浦和と強固な守備ブロックからカウンターで勝機を見出す大宮というそれぞれのスタイルを前面に出し緊迫したゲームを展開。前半終了間際に柏木陽介の珍しい右足のシュートでゴールを決めた浦和が1-0で勝利した。

否が応でも盛り上げる、いや盛り上がらずにいられないさいたまダービーに朗報。2ndステージでの対戦では特別料金が設定されているのだ。前売料金5000円のS指定席も、4300円のレッズシートも、3800円のSA指定席も、小中学生・高校生は550円の大盤振る舞い。旧浦和市と旧大宮市のライバル関係を知らない小中高生も、さいたまダービーで熱く対立軸を楽しんでみては。夏休み前の最後の日曜日にキックオフを迎える7月17日(日)・浦和×大宮・埼玉スタジアムのチケットは6月18日(土)午前10時より一般発売。