――「ミラチャイ」連載の取材では、毎月1回、約1時間半から2時間、佐江ちゃんのことだけを話していましたよね。その約6年間にわたって続いた習慣が、連載最終回とともに突然なくなったわけですが、そこはどうでしたか。

休んでいる間、ファンの皆さんとのコミュニケーションの場がまったくなくなってしまったわけではないんですよ。とはいえ、コミュニケーションの場はSNS(Instagram)ひとつだけだったんですが。

だから確かに連載がなくなってからは、誰かに「こういうことがあったよ」って、習慣的に話すことはなくなりました。

でも休業中は、自分と関わる人が家族か、一定の友達だけで、その限られた関係のなかでは、心情を1つひとつ言葉にして説明しなくてもよかった。なぜなら皆、私のことを把握してくれていたから。そういう環境は、休業するまでなかったと思うんです。

例えば母は、「ミラチャイ」連載があったとき、連載を見て「佐江はこういう舞台を観ていたんだ」とか、「この人とこんなに仲がいいんだ」って、私の環境や心情を把握していたところがありました。

でも、休業している間、母とはそれまでにないくらい近い距離にいたから。「今日の佐江は調子いいな」とか「明日はまたズコンと気持ちが下がっているかも」とか(笑)。私の細かい感情の「波」を、母は久しぶりに間近で見ていたと思います。

家で過ごした時間が本当に多くて、外出はコンビニに行くくらい。全然外出しない日も普通にありました。あれもしたい、これもしたいっていう欲も、もともと強くなかったから。

海外へ行ったとか、習い事をしてみたとか、いつか芸能の世界に戻ったときのために、したこともいくつかあったけど。平日は友人も皆仕事で、ご飯に行くくらいしかできなかったし、週末にちょっとお出かけしたくらいかな。

結果的に「お休み中に何をしていたか」と聞かれると「特に何もしていませんでした」って答えてしまうくらい、家にいたんです(笑)

――1年といっても、意外とあっという間で短いものですよね。

そうですね。思い返すとあっという間だったんですよね。1年は長いのかもしれないけど、私にとってはあっという間でした。だから自分は1年前とそんなに変わってない。すごく休んでたっていう感覚もないんです。もし、もう1年くらい休んでいたら、

「ウッワァーッ、仕事するの、久しぶりぃッー!!」

って、なるかもしれないけど(笑)

――そのお仕事ですが、復帰後のことは、また後ほど詳しく聞きたいと思いますが、舞台『ピーターパン』で二度目のタイガー・リリー役で舞台に立って。現在もすでに決まっている新しい活動がいくつかあるそうですね。

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