理由は分からないけど追いたい。BABYMETALは“オンリーワン”の存在

――当初、女性ならではの見方があるかと企画した今回の座談会でしたが、色々なお話を伺う中で、そのテーマ自体がもはや愚問だったと実感しました。すべてを繋ぎ止める力こそがBABYMETALの真髄なのかなとも思います。

では、最後に。みなさんがなぜ彼女たちを追い続けるのか、それぞれの思いをお聞かせ下さい。

MAJO「私の中ではもうただただ『見たい』という言葉に尽きます。中学や高校の頃にメタルが流行った時期もありましたが、内心では表情が怖かったり、世の中の怒りや不満を激しい音楽にぶつけるというイメージもあったんですよ。

でも、3人がいてくれたからかわいいはもちろん、メタルの世界に“楽しさ”をもたらせてくれた気がするし、自分の中で広げてくれたというのは大きかったです

KYAN「3人の成長もおもしろいですよね。一昨年から見続ける中でも、YUIMETALMOAMETALの身長がSU-METALに追いついてきているし。息切れもせずキレよく動き続ける凛々しさもあるし、また見たいなと思います。

あと、自分が昔から好きなゴールデンボンバーと重なる部分もあると思うのは、誰もやっていないところですね。(2ndアルバム発売までの)曲数が少なかった頃はそれこそ、順番が違えどライブ自体の内容はさほど変わらなかったんですけど、他に誰もやっていなかったから見続けてきたんだと思います

SAKU「他では満たされない何かがあるんですよね。ライブを見るごとに3人の表情も変わるし、パフォーマンスも回数を重ねるごとに進化し続けるのが伝わってくるんですよ。ロックやメタルはライブやフェスで見ていたけど、合唱することはあっても、合いの手を叫ぶ機会なんてなかった気がします。何が楽しさなのか。はっきりとした言葉では言えないけど、これからも見届けていきたいと思います

誰しもの想像をたやすく飛び越えるほどの活躍をみせるBABYMETAL。インタビュー中にも述べたが、今回の企画に至ったきっかけである「男女の感じる魅力に違いはあるのか」という疑問がもはや、愚問だったのは後々になり改めて気付かされたことだった。それは、彼女たちの存在自体が“オンリーワン”である以外に答えはない。

さて、音とライブを武器にしたBABYMETALの未来はどうなるのだろう。今年は5月~6月にかけて、アメリカとヨーロッパで20都市での公演を繰り広げ、7月からはいよいよ日本への凱旋を遂げる。ただ、919日と20日に行なわれる東京ドームでの2日連続公演の先で、何が起きるのかは今のところ示唆されていない。

続くのか終わるのか。それすらも答えの見えないままだが、彼女たちが走り続ける限り、メイトたちはさまようことなく一心不乱に“伝説”を目撃し続けるのである。

埼玉在住。編集者・ライター・デザイナーなど。制作会社から独立後、フリーランスとして出版物や印刷、Webなどに関わる。守備範囲は、アイドルやアングラ、ガジェットなど。日常すべてが取材をモットーに、寝るとき以外はネタを探すべくつねに目を光らせている。時折、夜の街もフラつく。交通費やチケット代、物販など含めれば、月に数万円使うほどアイドルが好き。30代にして、アイドルを通して“青春”を追いかけている。