(左から)滝田洋二郎監督、久石譲

2009年度のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』の滝田洋二郎監督が、冲方丁の時代小説を映画化した『天地明察』の製作報告会見が15 日、東京・青海にある日本科学未来館内のプラネタリウム「ドームシアターガイア」で開催され、滝田監督をはじめ、主演を務めるV6の岡田准一、音楽を手がける久石譲らが出席した。

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本作は、江戸時代前期を舞台に、それまで800年にわたり使用されてきた暦の誤りを見抜き、日本独自の暦“大和暦”を作り上げた安井算哲(後の渋川春海) の青春物語を、滝田監督の視点で再構築していく。原作は第31回吉川英治文学新人賞、2010年本屋大賞に輝いており、滝田監督は「ビッグな“新星” 冲方丁の原作を読んで、すぐに映画化に向けて手を上げた」と思いも格別な様子。オスカー受賞後初の監督作で「未知なるは天体ではなく人間だと描きたかった。渾身の作品に仕上がった」と自信たっぷりにアピールしていた。

主人公・算哲を演じる岡田は「周りに支えられながら、いろいろな困難を乗り越え、偉業を成し遂げた人物。僕自身、スタッフや共演者の皆さんに支えられながら、現場に取り組んだ」と自らを算哲に重ね合わせていた。また岡田は、滝田監督とは初のタッグ。「念願だった滝田組に入れる嬉しさを感じた」と語っており、滝田監督も「“いい人ぶり”を演じるのが難しい算哲を、素晴らしい演技と圧倒的な存在感で演じてくれた。仕事に取り組む姿勢も含めて、やっぱりジャニーズはプロだね」と絶賛した。

2012年は、来る5月21日の金環日食をはじめ、マニアが固唾を飲む天体イベントが相次ぐ“当たり年”。主人公・算哲は江戸時代に日食の日付を言い当てた実在の人物とあって、岡田も「こんな年に公開できるなんて、ミラクルを感じる」と興奮しきり。会場となったプラネタリウムにはダイナミックな星空や、金環日食の映像が投影され、本作の神秘的な世界観を再現していた。

『天地明察』
9月15日(土)全国ロードショー