自分が変わったなと思うこと
──まだ20代なのに(笑)。他に変わったなと自覚することはありますか?
小越 あまりなくて、人に言われて気づくことが多いですね。
最近も、久しぶりに昔からの知り合いに会って、「表情がやわらかくなったね」と言われました。
僕、けっこうひとつのことにのめり込みやすくて、周りも見えなくなることが多くて、「これをやらなきゃ」ということに必死になってしまうんです。
今は余裕が出てきたのか、そういうことも少なくなってきました。自分ではあまり気づいていないけど、考え方とか少しずつ変わってきているんだろうなって。
5年後、10年後の具体的なビジョンは?
──役者として5年後、10年後の具体的なビジョンはお持ちですか?
小越 5年後、10年後にこうなっていたいな……というビジョンはあります。
言える範囲だと、もっといろんな人に存在を知ってもらって、「これもこの人がやっていたんだ」とか「あの役、本当に嫌い!」でもいいんです。
みなさんの日常会話の中に出てくるような役者になりたいです。
役者を続ける上で大事にしたいのは、「初心を忘れない」ということ。
これはブレずにいきたいけど、それ以外はブレてもいいんじゃないかな、ブレたほうが面白いんじゃないかなって思う部分もあって。
変に意固地になりすぎると、そこから動けなくなる気がしています。
いろんな役をやらせていただくなかで、普段の自分とはまったく違うことをしなくちゃいけないことも多いので、多少ブレながらでも、求められているものにしっかり染まれる俳優でありたいなと思います。
この1~2年で一番楽しかった役
──では、この1~2年でやっていて一番楽しかった役は?
小越 どの現場も違って毎日楽しかったけど、『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』(NHKよるドラ/2019年4月―6月放送)は楽しかったですね。
「ああ、青春ってこういうことなのかな」と(笑)。僕は10代から仕事をしていたので、学生生活を思い切り楽しんできたことって少なくて。
ドラマみたいに下ネタを言うとか(笑)、クラスの真ん中にいてムードメーカーという立ち位置でもなかったので、撮影の合間から、そういうポジションを率先してやっていこうと思ったんです。
そのおかげもあってか、キャストとも仲良くなれたし、主演の金子大地くんとも短期間ですごく近い存在になれた気がします。だいぶ遅れてやってきた青春!でしたね(笑)。
プライベートで始めたいこと
──プライベートで始めたいことがあれば教えてもらえますか?
小越 やりたいことはいっぱいあるけど、何から手を付けたらいいんだろうって悩んでいます。
今やっているこのことにこれだけ時間がかかるってことは、こっちを始めたらもっと時間が必要だな……とか、あれもこれもと一気にやろうと思うから、ダメだ!できない!となっちゃうんですよね。
食べることが好きなので、家でたまに料理を作るんですけど、こだわりも強くて形から入るタイプなので、「この包丁が……まな板が……お皿が……」って。しまいには、「本格的な料理を作るならこのキッチンだとなぁ……」とか言い始めたりして(笑)。
結局、「美味しいもの食べるならやっぱり外食かな」とか言ってたら、また食べログに戻っちゃいますね(笑)。
小越勇輝(おごえ・ゆうき)
1994年4月8日生まれ。幼少期より芸能活動をスタート。2010―2014年、ミュージカル『テニスの王子様』で越前リョーマを演じ、出演は通算518公演にも及ぶ。
2018年よりドラマを中心に活躍。現在放送中のドラマ『FLY! BOYS,FLY! 僕たち、CAはじめました』(関西テレビ系SPドラマ)では、新人CAの黛正太郎役を好演。
また、映画『探偵は、今夜も憂鬱な夢を見る。2』(10月18日公開予定)にも出演している。
舞台『ハケンアニメ!』
直木賞作家/辻村深月の小説『ハケンアニメ!』が、G2脚本・演出で舞台化。日本を代表する一大複合産業「アニメ」の裏側で起こる“ハケン(覇権)”争いを描く。大阪公演.:2019年10月12日(土)~10月16日(水)/東京公演:2019年10月31日(土)~11月14日(木)