そのことに、アーロ自身は気づいていなくても、きっと皆さんは気づくでしょう。

危機に瀕したスポットを、あの怖がりのアーロが、わが身の危険を顧みず助けに行くのです。

「友達を見捨てることはできない!」

アーロにとってスポットは、この上なく大切な友達になっていたのです。

ところが、最後にアーロは、アーロと一緒にいようとするスポットと別れることを選びます。

過酷な状況の中で、ともに助け合って生き延びてきた大切な友。その友と別れることはとても悲しい。

でも、父を亡くしたアーロはすでに気づいていたのかもしれません。そばにいなくても、存在を感じることができると。

そして、大切な友達だからこそ、何よりもスポットの幸せを一番に考えたのです。

アーロは、自分にとって偉大な存在だった父を亡くした悲しみの中で、”友達”という宝物を手に入れました。

そして、その友達と別れることを選んだことで、“真の友情”を手に入れていたのです。

この映画を子どもに見せたい理由

このストーリーには、子どたちが成長のなかで大きな環境の変化を迎えるに時にためにたる、いくつかのテーマがあります。

・家族ってどんな存在?

ストーリーの最初と最後は、しっかりとした家族愛で締めくくられています。
映画を見終わった後、子ども達は親と一緒にいられることが、とても嬉しいことなのだと気づいてくれるかもしれません。

家族の絆が薄らいでいる現代、温かい家族の在り方を教えてくれているようです。

・怖くてもチャレンジする意味って?

映画の中で、父親はこう言います。

「怖さを乗り越えて初めて見える世界がある」

そして、途中で出てくるティラノサウルスにもこう言わせています。

「怖さを感じない奴は生き残れない」

欧米の人達はチャレンジ精神をとても大切にします。でもチャレンジには恐怖がつきものです。

この映画は、怖がることは恥ずかしいことではない、怖さを乗り越えることが大切なのだと伝えてくれます。 子ども達に一歩踏み出す勇気を与えてくれるかもしれません。

・“本当の友達”の作り方は?

アーロとスポットの出会いは、新たな友情の形を伝えています。

人間の子スポットは、皆さんが想像したような形では登場していないでしょう。
でも、そのことで、子ども達は、違う立場で物事を見たり考えたりすることができ、言葉を発しない犬や猫や周りの動物たちに、優しく接するようになるかもしれません。

この映画は、言葉がなくても言葉が通じなくても友達になれる。一緒にいなくても友達でいられる。そして、相手の幸せを願うことが真の友情なのだと教えてくれます。

さて、この壮大でスケールの大きな映画から、子ども達は何を感じてくれるでしょうか?

友情でしょうか? 家族愛でしょうか?

それとも怖さを乗り越える冒険心やチャレンジ精神でしょうか?

ぜひ子どもと一緒に、美しい太古の世界を楽しんでくださいね。 

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©2016 Disney/Pixar  

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「元日本航空CA、英語プリスクール経営者、保育士。幼児教育研究家として『日本欧米いいとこどり育児のススメ』をYouTubeでも発信。著書に『グローバル社会に生きる子どものためのしつけと習慣』『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』『モンテソ―リ教育で伸びる子を育てる』、『ホンマでっかTV』に子ども教育評論家として出演など。」