4. 里親探しは焦らず慎重に!

拾った子猫を自分の家で飼えない場合、新たな飼い主(里親)を探さなければならない。この里親探しには、大きく分けて2つのアプローチがある。

1つは、住んでいる地元のネットワークを活かすこと。

・所属している自治会、サークル仲間、ママ友などに猫の里親募集を知らせる。
・行きつけの動物病院やショッピングセンターに里親募集のチラシを掲示してもらう。

こうしたアプローチは、その土地に長く住んでいるほど、また人脈が広いほど効果的だ。里親さんも自分と近いところにいるため、譲渡後に猫の様子を見に行きやすく安心感が高い。

もし学業や仕事の都合で別の土地に引っ越していた場合、なかなか地元のネットワークは利用しにくい。こんな場合は、もう1つの方法、インターネットを使って広く里親を募集するアプローチも有効だ。

ネット上には「いつでも里親募集中」「日本ヒューマン&ペット協会」などの里親募集サイトが存在している。ここへ子猫の写真とプロフィールを登録しておけば、猫を飼いたい人からの連絡を受け取ることができる。

募集サイトを使えば広い範囲から里親候補者を募集できるが、同時に里親詐欺(動物をだまし取って虐待する)のリスクも高まる点には気をつけたい。

里親詐欺や無責任な飼育を防ぐためには、以下のような点を徹底する必要がある。

・必ず希望者の自宅へ訪問して、飼育環境を直接見せてもらうこと
・希望者本人だと証明できる身分証を見せてもらうこと
・賃貸物件に住んでいる場合、ペット飼育が可能とわかる書面を提示してもらうこと
・最低でも1週間~1ヶ月間はお試し飼育(トライアル)期間を設けること
・譲渡時は誓約書に必ずサインしてもらい、保存しておくこと
・譲渡した後も定期的に、猫の様子を写真付きで報告してもらうこと

「保護主さんは『誰でもいいから早くもらってよ!』と急いで里親を決めたくなりますが、猫にとってはその後の一生が決まってしまう重要な決断です。慎重に検討を重ねて、この人なら大丈夫と思える候補者に譲るようにしてください」(ボランティア関係者)

なお、譲渡時の誓約書はゼロから自分で作成しなくても、里親募集サイトで公開されているフォーマットを使えば手間がかからない。(【参考】「いつでも里親募集中」が提供する誓約書フォーマット)

こうした資料もうまく活用し、せっかく助かった猫が末永く幸せに生きていけるよう力を尽くしたい。

パソコン誌の編集者を経てフリーランス。執筆範囲はエンタメから法律、IT、教育、裏社会、ソシャゲまで硬軟いろいろ。最近の関心はダイエット、アンチエイジング。ねこだいすき。