SHINが語る、音楽を続けていられる理由

「今日は、いよいよツアーファイナル。今回のアルバムは皆で楽しめる曲をいっぱい作ったつもり。皆がいい顔をしてくれて、本当にありがとうございます!」彼のまっすぐな言葉に、あたたかな拍手がおこる。

そして、グルーヴィーなサウンドにあわせ、『センターオブトーキョー』のふりつけをレクチャー。そのまま曲へ入り、ファンキーなノリでフロアを揺らしていく。

「まだまだ止まらねえぞ!」と、ハードな『6inchの凶器』へなだれ込むと、それにこたえるように、フロアからは拳があがる。

「今日は皆の声を聞きにきたんだよ! 聞かせてくれ! 俺も普段人見知りだけど、全部さらけ出すから!」とオーディエンスの熱を求めるSHIN。そしてその勢いがピークに達し、『just going true side』へ。

SHIN (撮影・インテツ)

次の曲がラストだと告げると、そして今年は色々なことに挑戦してきて、その中でも迷いもあったと胸中を語るSHIN。しかしこのツアーは、そういった迷いをふっきるような経験になったようだ。

「名古屋の初日、すごく皆が楽しんでくれて、大阪はYOUSAYのギターの弦が切れてしまったけど、そのおかげで皆が一緒に盛り上げてくれて、めちゃくちゃいいライブになった。今日も平日なのに、たくさんの人が集まってくれた。年に1回のこの日、本当に幸せだと思います」

はちきれんばかりの想いを、言葉にしていく。

「ずっと悩んでいたけど、不安だったんだけど、ライブをやってみて、“俺、これで良かったんだ”と。手探りだけど、皆に歌を届けたくて作ったアルバムだったし、歩いてきた1年だった」

「皆も日々生きてきて嫌なことがあると思うんだよ。少しだけ“これでいいんだ”って思えたらラクになると思うし、なによりも皆がここに来てくれたから、俺はそう思えるようになった」

「最近まで俺、ひょっとしたら“音楽に逃げただけ”なんじゃないかと思うこともあった。でも、皆の顔をみると嬉しいし、やっぱりここに立つと、またライブやりたいし、歌いたい。アルバイトも続かない俺が、音楽を続けられている理由だと思う、ありがとうございます」

SHIN (撮影・インテツ)

そんな彼のひとつひとつの言葉を、優しい表情で受け止めるオーディエンスたち。

そして、「この曲を心を込めて贈ります」という言葉から始まったのは、アルバムにも収録されている『花』。SHIN名義のソロ活動に入る前、『WHITE JUDAS』名義で活動していた時期に発表されており、ファンの熱い声から今回ボーナストラックへ収録されることになった曲。