(画像左から)藤田俊太郎、尾上右近 撮影:五月女菜穂

幼なじみの男女が半世紀にわたってやりとりした手紙の朗読劇『ラヴ・レターズ』は今年、日本初演から30年目を迎える。演出の藤田俊太郎と10月31日の公演で剛力彩芽とともに出演する尾上右近に、本作の魅力や思いを聞いた。

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米国の作家A.R.ガーニーによる朗読劇で、ニューヨークで1989年に初演。日本では90年に初演され、故・青井陽治の翻訳・演出のもと、数々の俳優たちが舞台に立ってきた。2017年12月から、青井の遺志を受け継いだ藤田が演出を担当。右近は、同年12月に松井玲奈とともに本作に出演し、今回が2回目の挑戦となる。

右近は、前回の出演について「歌舞伎以外の舞台経験が浅い時で、実感としては手も足も出なかった。ハードルが高かったといいますか、ハードルをくぐったような感じでした」と素直に語る。だからこそ今回の出演は「もう1回チャレンジさせていただきたいと思っていたので、本当に嬉しい」。

本作がここまで愛される理由や魅力はどこにあるのだろうか。演出の藤田は「多角的」とコメントし、「この作品の魅力は、手紙と通して誰かに何かを伝えること、その思いだと思うんです。(台本の設定は)アメリカのある限られた人種、場所での話ですが、時代を超えて、普遍的な意味を見い出すことができる作品だと思います。特に自分が一番という考えになりがちな現代に、「他者を思いやり、いくつしむ」という作品のテーマには、新たな価値があるのでは」と話す。今回上演される台本は、故・青井氏が最後に直した新翻訳版だといい、「青井さんが亡くなって2年。青井さんから僕たちに新たに届けられた、ラヴレターだなと思います」とも語った。

右近は「前回は作品の厚みを知らない怖さがあったけれど、今回は知っているからこその怖さがあります。緊張感を持ちながら、今の等身大の自分を表現できたら」と意気込み、「50年という年月を描きながら、普遍的な価値を持つ、とても稀有な作品。老若男女問わず、みなの心に届く作品でもあるので、幅広い方に見ていただきたいです」と話した。一方、藤田は、「演じる役者、カップルによって、まるで表情を変える作品です。素晴らしい公演をお届けしたいと思います」。

『ラヴ・レターズ 2019 Autumn Special』は新国立劇場小劇場にて、10月31日(木)尾上右近&剛力彩芽、11月1日(金)平方元基&昆夏美、2日(土)三浦貴大&大島優子、3日(日・祝)岡山天音&黒島結菜、4日(月・休)松本利夫(EXILE)&樹里咲穂が出演。チケット発売中。

取材・文・撮影:五月女菜穂

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