『ママと僕たち』 ~たたかえ!!泣き虫BABYS~ 稽古場より 撮影:源 賀津己 『ママと僕たち』 ~たたかえ!!泣き虫BABYS~ 稽古場より 撮影:源 賀津己

赤ちゃんたちが大人になってママのピンチを救う舞台『ママと僕たち』 ~たたかえ!!泣き虫BABYS~ が7月8日(金)に開幕する。本作は2013年に始まった『ママと僕たち』シリーズの3作目。今回の赤ちゃん役は、シリーズ全作に出演中の原嶋元久に加え、佐藤永典、木戸邑弥、井澤勇貴、三浦海里、上村海成の6人。大人役には、同じく全作出演中の今井ゆうぞうのほか、デーモン閣下も出演する。初の通し稽古を取材した。

舞台『ママと僕たち』 ~たたかえ!!泣き虫BABYS~ チケット情報

演出の村上大樹が「みなさんの予想を超えていく、最新版にして最高の一番濃いもの、面白いものが観れることは間違いないです!」と語る本作。描かれるのは、時系列としてはシリーズ1、2作目よりも前。公彦(原嶋)が生後7か月のときに出会った赤ちゃん・朝陽(木戸)、金次郎(三浦)、柾(佐藤)と、金次郎のお兄ちゃんで3歳の愛之助(井澤)、謎の赤ちゃん(上村)たちのストーリーだ。

稽古場で、赤ちゃんたちのクオリティに思わず笑ってしまった。彼らの演技力によるものだが、“赤ちゃん風”では決してない。本当に赤ちゃんに見えるので、観ていて照れを感じない。ママを見つめる目は最高に真っ直ぐだし、遊んでいるときは驚異の集中オーラを放っている。思わず赤ちゃん同様のかわいさを感じてしまう。また、井澤の3歳児っぷりにも注目。泣きわめく姿もママに甘える姿も、3歳児らしさ炸裂。ひと味違う姿が見られるはずだ。だからこそそんな彼らがふと大人びたことを言ったり、キレッキレでエグザイル風の歌やダンスを披露したときの爆発力はすごい。

さらに、託児施設の先生(内藤大希)とママ(山田まりや)の昼ドラ風恋愛模様や、業界風をビュービュー吹かせるイバリD(佐藤貴史)など、大人チームも“脇を固める”に収まらない魅力なのだが、その中でもやはり格別の存在感だったのが、歌のお兄さんを演じる今井とデーモン閣下。「パロディで出てきそうな人物が本物だから、何やっても感動的」と村上も言うように、長い時間をかけて積み重ねてきた本物のオリジナリティが、本作では圧倒的な面白さに変わる。今井VS閣下のシーンは、本作でないと絶対に観られない姿のはずだ。

舞台の後には、夏休み特別企画としてミニライブ『バブライブ!』も開催。『バブバブポン』など歴代のママ僕SONGSを披露するほか、日替わりコーナーも。ペンライトを持って参加しよう。

面白さも温かさも感動もあるが、なにより楽しい。一度観るとまた観たくなる、クセになる作品だと感じた。公演は、7月8日(金)から18日(月・祝)まで東京・AiiA 2.5 Theater Tokyo、7月22日(金)から24日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。

取材・文:中川實穗