イランの映画監督アッバス・キアロスタミが亡くなった。76歳だった。キアロスタミは、今年初め、イランでガンの手術を受けており、先週から治療のため、パリに滞在していた。

その他の情報

キアロスタミはテヘラン生まれ。美大を卒業後、子供のための国営組織に入り、映画制作部を創設する。監督デビュー作は、1970年の『パンと裏通り』。1997年の『桜桃の味』でカンヌ映画祭の最高賞パルムドールを受賞。代表作に『友だちのうちはどこ?』(1987年)、『ホームワーク』(1989年)、『そして人生はつづく』(1992年)、『トスカーナの贋作』(2010年)などがある。最近作の『ライク・サムワン・イン・ラブ』(2012年)は日仏合作で日本を舞台に、奥野匡、高梨臨、加藤亮など日本人キャストで撮影され、カンヌ映画祭でコンペ作として上映された。

キアロスタミは、つい最近、米アカデミーから新会員に招待されたばかりだった。

文:猿渡由紀