「フラガール」ゲネプロより 撮影:川野結李歌

舞台「フラガール -dance for smile-」が現在、東京・日本青年館ホールにて上演中。開幕に先がけ公開ゲネプロと囲み取材が行われ、取材には主演の井上小百合(乃木坂46)、矢島舞美、富田望生、太田奈緒(AKB48)、福島雪菜(劇団4ドル50セント)、伊藤修子、味方良介、有森也実、山崎銀之丞が出席した。

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昭和40年、エネルギーが石炭から石油に代わろうとする時代の福島県いわき市の炭鉱町を舞台に、労働者から目の敵にされながらも“常磐ハワイアンセンター”設立に向けてフラガールへと生まれ変わっていく少女たちの姿を軸に描く。映画は2006年に公開され数々の賞を受賞した大ヒット作。舞台化は初となり、総合演出は河毛俊作、プロデュース・構成演出は岡村俊一が手掛ける。

会見では、井上が初挑戦となったフラダンスについて「ビックリするぐらいしんどくて、最初は動けなくなったほどでした。これは大変だぞと思っていたのですが、稽古を重ねていくうちに、みんなどんどん身体が動くようになっていった。本番でその成果が出せればいいなと思っています」と語ると、井上と共にフラガールを演じる富田や太田、福島、伊藤も深く頷く。そんなメンバーにダンスを教える先生・平山まどか役の矢島は「私は先生役なので最後はみんなを見守るのですが、日に日に上達していくフラガールの皆さんに感動していました」、常磐ハワイアンセンターの企画部長として彼女たちを見守る吉本役の山崎も「キャスト達が、物語の中と同じように少しずつ成長していく姿を見せてもらいました。大ヒット映画の舞台版ということで多少のプレッシャーもありますが、井上小百合版の『フラガール』、皆さんに楽しんでいただけるものになっていると思います」とそれぞれ語り、自信を覗かせた。

また、紀美子(井上)の母親役の有森が「私が演じるのは、変わりゆく炭鉱に不安を抱えながらも娘を応援し、少女たちからエネルギーをもらい、新しい時代に踏み出すひとりの人間です。難しいけれど楽しい役です」と話すように、少女たちの奮闘と共に、彼女たちを取り巻く大人たちの姿も丁寧に描かれる。だからこそ、登場人物ひとりひとりの人生がフラによって変わっていく様子が鮮やかで、胸に響く作品となっていた。

クライマックスのダンスは、人が生で演じるからこその気迫を肌で感じられる仕上がり。ぜひ劇場で体感してほしい。公演は10月27日(日)まで東京・日本青年館ホール、11月2日(土)から4日(月・祝)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。

取材・文:中川實穗