自分で迷子猫を探すコツ(捕獲編)

迷子になった愛猫を発見したら、次は捕まえて自宅へ連れて帰らなければならない。ただ、これが意外と難問。特に室内飼いの猫だと慣れない外の世界に警戒心を強めていることもあるので、うかつに接近すると逃げられてしまうかもしれない。

この捕獲方法にもノウハウがあるそうだ。

「理想的な捕まえ方は、猫の方から来てくれることです。ごはん、飼い主の声、おもちゃなど、猫が興味を持つものを使ってこちらに集中させることに成功すると、その場から逃げる可能性が低くなります。あせって捕まえようとすると逃げてしまうので、猫から飼い主に歩み寄ってくれるまでなるべく待ちます」(白根さん)

それが難しいなら、前述したペット探偵アイテム「捕獲器」を使う方法もある。この場合は、プロに依頼して設置してもらうことになる。

「ほかの猫が入ってしまうこともあるので約30分おきに様子を確認します。捕獲器の周辺に人の気配があると入ってくれないので、遠くから目視確認できる場所に仕掛けます」(同)

いずれにしても、猫を刺激しないよう気をつけることが大切だという。

「猫の様子と周囲の状況をよく観察します。捕まえる前にある程度時間をとって猫とコミュニケーションするため、猫が必要以上に緊張しない状態になれる静かな環境が理想です。猫がおびえていると物音などの些細な刺激でも逃げてしまうため、その場所での捕獲をあきらめるときもあります」(同)

手を尽くして猫を捕まえても、それですべて終わりではない。迷子になっている間、どんな危険にさらされていたかわからないからだ。

「連れ戻してしばらくは、外傷や歩き方の不自然さがないか、室内で落ち着くことができるかを観察します。異常や気になる点があればかかりつけの獣医へご相談ください。見た目に異常がなくても感染症の可能性もあります。また、人間のミスで脱走が引き起こされた場合は、再び同じことが起こらないように再発防止対策をしてください」(同)

ここまでやって、迷子猫の捜索は一段落したと言える。未経験者にとってはかなり重労働になりそうだが、愛猫のためなら労を惜しんでいる場合ではない。すべて自分でできるなら自分で、時間や体力に不安があるならプロに依頼して、早期の発見に努めたい。

最後に、ペット探偵へ依頼するときのアドバイスを、白根さんに教えてもらった。

「依頼時に必要な情報は、猫の特徴がわかる写真(顔、全身、背中からしっぽの3枚があればベスト)、毛色や目の色や首輪などの特徴、猫の性格を表すエピソード(飼い方や生活背景)などです。飼い主さんがパニックにならずに、いつもの猫の様子を思い出して話してください。

また、信頼できる業者の選び方としては『猫のいなくなった状況や性格を細かく質問してくる』『調査の方針を説明してくれる』かどうかを基準にすると良いでしょう」(同)

■取材協力 ペットサーチアイ 白根太調査員
ペット探偵歴15年。東京、神奈川、埼玉、千葉など首都圏を中心に、全国の迷子猫を探す日々を送る。
写真から猫の特徴をとらえ、3次元のイメージを持つことが得意なため、会ったことがない捜索対象の猫とほかの猫を区別できたり、身体の一部しか見えない状態でも発見につなげられることが多い。

パソコン誌の編集者を経てフリーランス。執筆範囲はエンタメから法律、IT、教育、裏社会、ソシャゲまで硬軟いろいろ。最近の関心はダイエット、アンチエイジング。ねこだいすき。