7月本公演★☆北区AKT STAGE×錦織一清「初級革命講座 飛龍伝」公開舞台稽古および囲み取材が7日、東京都内で行われ、演出を手掛けた錦織一清、劇団代表の逸見輝羊が出席した。

 劇作家・つかこうへいさんの逝去により解散となった北区つかこうへい劇団が、その後劇団員の有志によって★☆北区AKT STAGEとして発足。今回はもっとも信頼の厚い師弟関係にあった錦織が師のDNAを伝えるべく、つか作品の一つである「初級~」と同時上演「あゝ同期の桜」の演出を手掛けることとなった。

 半年間にわたるワークショップを経て劇団を演出した錦織は「僕もこれからつかさんのお芝居をやっていく上で勉強していくことを互いに学んだ、充実感のある日々を送らせてもらった」と振り返り、「けいこ場で見たときもハードな作品だと思っていたけど、さらにハードな作品に仕上がったなという感じ」と仕上がりに手ごたえをのぞかせた。

 逸見は「劇場に入ってやってみると、つかさんの思いがせりふの中に入っているんだとあらためて感じた」といい、錦織の演出を「何より、僕たちはつかさんが亡くなってから5年間必死にやってきたけど、それをちゃんと引き上げてくれる演出家であり先輩、師に代わる方になるんだなと思いました」と信頼感を語った。

 現在、ほかにも演出を手掛けるミュージカル「グレイト・ギャツビー」が上演中だが、「こっちを前倒しで前からやらせていただけたので、スケジュール的にはハードではなかった。商業芝居である『ギャツビー』はおよそ1カ月という開始と締め切りを決められてやりますが、こういった長いスパンで腰をすえてひとつ、ふたつの作品をじっくりつくることができた。そういう経験をさせていただいてうれしかったです」と喜んだ。

 演出家として次に目指すところについて「この作品は3人しか出ませんが、劇団の人たちは40人以上いると聞いたので今度はもっと団体戦のつか作品に挑戦したい」と意気込み、ジャニーズ事務所の若手たちにも「僕以上にお芝居が好きで興味を持っている子がたくさんいるので、コラボレートという形でうちの若い子が出られる機会があれば、やらせていただけるなら、今後ぜひやりたい」と構想を明かして笑わせた。

 舞台は7月7日~10日に東京都内の北とぴあ・つつじホールで上演。