左から、田中涼星、佐奈宏紀  撮影:源賀津己 左から、田中涼星、佐奈宏紀  撮影:源賀津己

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs氷帝が7月に開幕する。本公演で初のダブルスを組み、氷帝の宍戸 亮(小早川俊輔 )&鳳 長太郎(渡辺碧斗)ペアに挑む、乾 貞治役の田中涼星と海堂 薫役の佐奈宏紀に話を聞いた。

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学vs氷帝 チケット情報

今回、初めてラリーと呼ばれる試合場面を演じる田中は「このダブルスのために、最初の不動峰公演のときから乾と海堂の関係性は意識していたので、やっとか……という思いです。これまで試合をしているみんなを観てはいますが、いざ自分がやってみるとボールの行方や、今、自分が優勢かどうかをどう見せるか? とか意識することがすごく多くて、毎日が発見です。でも、自分が打った瞬間、ラケットにボールが当たる効果音が入ることが、ものすごく気持ちいいと知りました!」と笑顔を見せる。

そんな乾の姿に、稽古中なのに思わず笑みがこぼれてしまうという佐奈も「前回の山吹公演でも、リョーマが勝ってみんなが湧いている隅で海堂はひとり、拳を握りしめている。その姿に乾だけが気付く……といった、ベンチワークでの立ち居振る舞いでもふたりの関係性を見せたくて、一緒にいろいろ考えて作っていたんです」

そんな互いについて「涼星くんはすごく柔らかい人。跳ね返すことなく受け入れてくれるし、それどころか言わなくても察して提案してくれる」と佐奈。続けて田中は「佐奈は……天才だよね!」と発言。すかさず「まあ、そうだね(笑)」と佐奈。しかし、大真面目に「でも、本当にそうなんです。視野が広くて、細かい部分もちゃんと見ていて、なんでもできるから、僕のほうが教えられることが多い」と絶賛し、仲の良さを披露。

「初試合の場面はもちろんですが、データ主義だった乾が海堂の執念や努力に影響を受け、これまで信じてきたデータテニスを超える……その姿を見せたい。特に乾がダブルスを組もうと決めるキッカケとなる、海堂がひとりで特訓する場面がすごく好きなんです」と田中。「あそこは僕もずっと演じてみたかった。試合ともベンチワークともちがう、海堂としての演技を観てほしいです。新曲も増えて、新しい氷帝公演になっているので、何度も観てほしいです!」と佐奈。

この公演で青学8代目として卒業する、彼らの試合をその目に焼き付けてほしい。

公演は、2016年7月14日(木)から24日(日)までTOKYO DOME CITY HALLから、大阪、愛知、宮城、福岡、そしてテニミュ初となる上海公演を経て9月の東京凱旋公演と続く。

取材・文/おーちようこ