単独ライブ『ハート』について

バイきんぐ・小峠英二(左)、西村瑞樹(右)

——トークテーマ、ありがとうございました。コントの匠みたいなバイきんぐでもめちゃスベっていた時期があるという貴重なお話もありましたが、そこからどうやって『キングオブコント』で優勝できたんですか?

小峠「優勝する4年くらい前からかな、2ヵ月に一度、新ネタを6本下ろすライブをやり始めたんです。そこからちょっと変わりましたね」

西村「それで結果が少しずつ出てきて、『キングオブコント』優勝の少し前に『オンバト+』で3位になったことで、確信できた感じです」

——先ほど話題に出ましたけど、ボケとツッコミが以前は逆だったんですよね。交代しようと思ったきっかけは?

小峠「6本下ろすライブのために、いろんなパターンのネタを作らなきゃいけない。ボケとツッコミを逆転したり、ダブルボケにしてみたり。試してみると、僕がツッコミ、西村がボケのネタがよくウケることがわかったんです。それで固定しました」

今回のネタ作りが、今までで最もしんどかったです

——そして現在は年に一度、単独ライブを公演しています。今年は『ハート』ですが、どんな感じになりそうですか?

小峠「特に新しいことをやるわけでもなく、5〜6分の短めのネタをバンバンバンと見せる感じです」

西村「小峠が書いたネタを見せてもらいましたが、今年も粒ぞろいですよ!(笑)」

小峠「実は今年がいちばん、ネタを書くのが大変でした。毎年、ネタ作りはかなり早めに取り組んで、ライブの1ヵ月前にはきっちり揃えるんですけど、マジでできないんじゃないかと思ったくらい。これまでも2〜3週間は書けないという時期がありましたが、今回はまるまる1ヵ月もネタが浮かばなくて。それが2回あったので、キツかった……。今までで最もしんどかったです」

——そういう時って、ネタ帳の前でうんうん唸っているんですか?

小峠「そうです。行きつけの喫茶店でネタを書くんですが、そこでよく会うオッサンが僕のノートをのぞき込んで“おや、どうしたの。真っ白だね!”って言うんです。あっ、20年間でいちばんムカついたのはこの言葉かも(笑)」

——さらにバイきんぐの単独と言えば、合間のVTR企画が恒例の2人旅ですが、今回はどこへ行くのでしょう?

小峠「今年は沖縄になるみたいです。ただ、僕は何をするかは全く聞いていません」

西村「天気が良ければいいんですけどね〜(ノリノリ)」

小峠「……僕は乗り気じゃないんですけど」

西村「コイツはいつも無理やり連れて行かれますから(笑)」

——バイきんぐのライブは男性客がとても多い印象ですが、お笑いライブでは珍しいですよね。

小峠「ありがたいことです。若い女の子は新しい芸人が出てきたらそっちに飛びつきますが、オッサンは裏切りませんから」

西村「いいフレーズだね、“オッサンは裏切らない”」

小峠「オッサンは、死ぬまで来るんじゃないですか?(笑)」

——『ハート』の見どころは?

小峠「僕ららしいコントを、わかりやすくリズム良く見せるところですかね」

西村「今年で小峠が40歳、僕が39歳。体力的なピークはとうに過ぎていますけれども……、長年培った経験とかテクニック的なものは円熟味を増していると思います! その辺を見に来てほしいですね」

小峠「いやいや、俺たちにテクニックなんてないだろ!」

西村「体力の話をした後、着地点を見失っちゃったもんで、適当に言っちゃった(笑)」

 

バイきんぐ・単独ライブ『ハート』

会場:北沢タウンホール

7月16日 開場17:30/開演18:00
7月17日 開場13:30/開演14:00
開場17:30/開演18:00

チケット:THANK YOU SOLD OUT!

 

新潟県出身。夕刊紙の野球記者を経てアイドル誌のお笑いページを担当、お笑い専門誌の立ち上げなどに関わる。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)『情報エクスプレス』にて『しのぴーのお笑い芸人百花繚乱』連載中。その他『Rolling Stone日本版』『JUNON』『楽天 すっぴんショッピング』などに寄稿。携わったお笑い関連の近著に『ニッチェ 江上敬子のダンナヤセごはん』(KADOKAWA/インタビュー) 、『日本のみなさんにお伝えしたい48のWhy』(ぴあ書籍/構成)など。