映画『ひと夏のファンタジア』で韓国人女性の“ぼっち旅”増! ウラ話を監督&女優に直撃

上映中の日韓合作映画『ひと夏のファンタジア』は、映画批評も手がける菊地成孔氏が、”私的には、本年前半のベスト1として一切の後悔がないと断言できる”と称賛。韓国では若い女性の行動パターンをも変えたという、この映画の魅力にインタビューとともに迫りたい。

©Nara International Film Festival+MOCUSHURA©Nara International Film Festival+MOCUSHURA

現在公開中の日韓合作映画『ひと夏のファンタジア』。

韓国の是枝裕和、第二のホン・サンスと呼ばれる俊英チャン・ゴンジェ監督が、河瀬直美監督の招きで奈良県五條市で撮った本作は、音楽家で、映画批評も手がける菊地成孔氏が、”私的には、本年前半のベスト1として一切の後悔がないと断言できる”と称賛。

作家の長嶋有氏は、”恋愛映画というよりも、生々しい「口説きドキュメント映画」、おずおずぶりにドキドキする!”(劇場パンフレットより)とコメントを寄せるなど、話題になっています。

『ひと夏のファンタジア』は二部構成。

韓国から次回作の構想を練るため五條市を訪れた映画監督と助手ミジョン(キム・セビョク)が、観光課の職員タケダ(岩瀬亮)と共に町の人々と出会う第一部と、若い女性ヘジョン(キム・セビョク二役)が観光案内所で出会ったユウスケ(岩瀬亮二役)との淡いロマンスが綴られる第二部という構成。

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第二部は、第一部の映画監督が撮った映画というイメージで撮影したそうです。詳しい脚本は書かず、大まかなプロットのみを2人に伝えて、ほとんど即興で撮影したそう。

そのせいか映画を観ていながらも、まるで今、2人が恋に落ちる瞬間を目撃しているような気持ちになるのです。みずみずしい感覚と、ちょっと切ない夢のような時間を味わえることをお約束します。

昨年夏に公開された韓国では、小規模な公開だったにもかかわらず大ヒット。1年たった今、再び公開されているほど人気を呼んでいます。

特に20代から30代の女性を引きつけ、映画の舞台になった奈良県五條市には、若い韓国人女性の観光客が増えたほど。

来日したチャン・ゴンジェ監督と、主演のキム・セビョクさんに、お話をうかがいました。

なぜ、この映画で韓国人女性“ぼっち旅”が増えたのか?

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ーーこの映画が特に若い女性に受けた理由を、お二人はどう思われますか?

チャン監督「意外でしたね。ただ僕もそうですが、旅先で誰かと出会う、ということへの憧れがありますよね。韓国では女性は2人以上で行動することが多く、ひとり旅というのはちょっと前まで珍しかったんです。ひとりご飯を意味する”ホンパップ”という言葉が、最近流行語になったくらいですから。

それに加えて男女限らず若者は、受験、就職活動、と常に時間に追われています。ようやく30代になったと思ったら、もう老後の準備になってしまう(笑)。それくらい余裕のない社会でもあるので、こうしたゆったりした旅への憧れが強いんですよ」

セビョクさん「インディーズ映画の観客はもともと20代から30代の女性が中心なので、そうした人たちの感性に訴えたんだと思います。現場でも、私が演じたキャラクターの感情を、他の女性も共感してくれたらいいなと思って演じていました」

チャン監督「実は第二部のヒロインが、観光案内所で会ったばかりの青年に着いて行くことに疑問を呈するスタッフの女性もいたんです。でも、監督としてみれば、そこでついていってくれないと、映画が終っちゃいますからね(笑)」

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