三竿健斗(鹿島アントラーズ) (C)J.LEAGUE

カシマスタジアムに乗り込んで来るのは、攻めては機を逃さず、守っては粘り強くゴールラインを割らせない『ACL』の浦和レッズか、それとも決定力不足に喘ぎ、守備も持ち堪えられない『明治安田生命J1リーグ』の浦和か。浦和は『ACL』と『明治安田J1』で正反対の顔を見せている。

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『ACL』ではアジアの銀河系軍団・広州恒大に連勝した。10月2日の準決勝第1戦でFWファブリシオとMF関根貴大のスーパーゴールで2-0と先勝。続く10月23日のアウェイでの第2戦では嵩にかかって攻めてくる広州恒大の猛攻をしのぐと、カウンターからMF橋岡大樹のクロスをFW興梠慎三がヘディングシュートをズバリ。広州恒大には3倍ものシュートを放たれるもGK西川周作がファインセーブを連発し、1-0で決勝進出を決めたのだった。

『ACL』での勢いは、なぜか『明治安田J1』では持続しない。10月6日の第28節・清水エスパルス戦こそ、興梠、橋岡の得点で2-1の逆転勝利を上げるも、10月18日・第29節・大分トリニータ戦では後半に主導権を握るもゴールは奪えず、逆に試合終了間際にカウンターからゴールを許し、0-1の敗戦を喫した。10月29日の第31節・サンフレッチェ広島戦も相手ペースの中、75分にDF岩波拓也のゴールで先制したが、88分に橋岡がオウンゴール……、1-1に終わった。

これで浦和は9勝9分12敗・勝点36の9位。1試合消化ゲームが多い中、16位・湘南ベルマーレとは勝点5差とJ1残留争いから抜け出せずにいる。

ふたつの顔を持つ状況に大槻毅監督も「Jリーグで上位にいない我々が『ACL』で勝ち残っているのか。『ACL』で勝ち残っている我々がJリーグで勝てないのか。奇妙ではある。この状況をトレーニングで改善しようとしているが、それができていない難しい時期を過ごしている」と首をひねる。

さて、迎え撃つ鹿島アントラーズとしては浦和がどちらの顔でやって来ようが関係ない。ホームでキッチリ勝点3を積み重ねるのみだ。

16勝8分5敗・勝点56の首位に立つ鹿島は2位・FC東京と得失点9差、3位・横浜F・マリノスと勝点1差とデッドヒートを繰り広げる。ここ8試合で5勝3分の負けなしと好調をキープしている。さらに中2日の強行軍の浦和に対し、『天皇杯』準々決勝・ホンダFC戦から中8日と休養十分。この余裕のある日程の中、FWセルジーニョ、伊藤翔、MF三竿健斗、レオ・シルバ、DFブエノと負傷していた主力も帰って来た。鹿島は3年ぶり9度目のリーグ戦制覇へラストスパートをかける態勢は整っているのだ。

『明治安田J1』第30節・鹿島×浦和は11月1日(金)・茨城県立カシマサッカースタジアムにてキックオフ。チケット発売中。