左からシリル・ニコライ、ジョイ・エステール、城田優 左からシリル・ニコライ、ジョイ・エステール、城田優

全世界で500万人以上を動員したフランス発の超ヒットミュージカル『ロミオ&ジュリエット』。日本では宝塚版(2010年初演)と日本オリジナル版(2011年初演)のヒットで知られる感動の舞台の本場フランス・オリジナルバージョンが、いよいよ10~11月に初来日公演を果たす。5月21日に行われた記念イベントでは作詞・作曲家のジェラール・プレスギュルヴィックを始め、注目の来日メインキャストが登場して作品の魅力を華やかに紹介した。

フランス招聘版 ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」 チケット情報

まずはCD、DVDセールス650万枚以上という驚異の記録を打ち立てた楽曲のパフォーマンスを披露。ロミオ役のシリル・ニコライとジュリエット役のジョイ・エステールが澄んだ美声で、名曲『エメ』など情感あふれるナンバーをしっとりと歌い上げる。続いてベンヴォーリオ役のステファヌ・ネヴィルとマーキューシオ役のジョン・エイゼンも加わり、世界的ヒット曲となった『世界の王』など、躍動感みなぎるロック&ポップなナンバーをパワフルに歌い、場内を沸かせた。ここでスペシャルゲスト、日本オリジナル版でロミオを演じた城田優がオフィシャルサポーターとして登場すると、会場のムードはさらに高揚。「ジェラールさんの音楽の世界観は天才的。すべてのシーンで感情が音として表れているんです」と力強いエールを送った城田は、シリル、ジョイとともに特別パフォーマンスを披露、『エメ』をフランス語で堂々と歌い上げた。

キャスト紹介では全員が「コンニチワ」と日本語を交えて挨拶し、朗らかに来日公演への期待と意気込みを語った。「素晴らしい愛の物語に国境はないと思います」(ジョイ)。「ジェラールの音楽は世界共通。そのエモーションはフランス語で歌っても共感していただけるはず」(シリル)。2001年のフランス初演からスタートした本作は、世界ツアーを経るなかでクリエイターやキャストのアイデアによって徐々に変化を遂げ、2010年に新演出版が確立したという。ジェラール・プレスギュルヴィックは「海外公演は何かと変更があるものですが、今回はフランスで上演した新演出版とまったく同じものをご覧いただく。そこが一番のポイント」とアピール。城田が「あの音楽はどのようにして生まれたんですか?」と質問すると、「『ロミオ&ジュリエット』のような素晴らしい作品を手がけようと思うと各シーンを想像するだけでインスピレーションは自然と沸いてくるもの。このミュージカルを作ったことでシェイクスピアがお礼を言ってくれるかはわからないけど、私はシェイクスピアに感謝しています」と答えて、会場の笑いを誘っていた。

純粋な愛という普遍のテーマを斬新な音楽とダンスで綴り、全世界を熱狂させたラブストーリーの決定版。魅力のキャスト陣がこの貴重な来日公演で、オリジナルバージョンの感動と興奮をそのまま届けてくれることだろう。「愛の尊さ、争いの愚かさ、むなしさといった大事なメッセージが凝縮されたミュージカル。なにより音楽を楽しんでください」(城田)。公演は東京と大阪で開催される。チケットは発売中。

取材・文:上野紀子